ALBA Net  ゴルフ
ALBA Net  ゴルフ

辻村明志コーチが選手のために『APEX UW』などキャロウェイの新作UT2機種を徹底検証!「両方、幅広く使える」

撮影・山代厚男 取材協力・鎌ヶ谷カントリークラブ

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2025年9月9日 11時09分

長年、上田桃子のキャディやコーチを務め、今も女子プロを目指すジュニアや研修生を支える辻村明志プロは、クラブやシャフトなどのギアを自ら先に試して「選手のための目利き」を行うのが信条。特にクラブにシビアな上田桃子と共に歩んできたため、最新モデルにも鋭い目を向けるのはどのメーカーのどのギアも同じ。

上田や六車日那乃のほか、多くの元弟子・現弟子がお世話になってきた“キャロウェイ”であってもそのスタンスは不変でPGAツアー選手15人ほどが供給されてすぐ飛びついた、新しい中空ウェッジ『OPUS SP』を弟子のためにも「徹底検証したい」言う。同時に、新たに用意されていた『APEX』シリーズの2機種のUTの存在を知ると、やはり興味しんしんだ。
 

初代も2代目もプロに根強い人気

 
「女子選手にとってもUTはすごく大事なクラブ」と、真っ黒な新しい『APEX UW』に目を向ける辻村氏。2022年1月に誕生した初代モデルは、FWとUTの両方の良さを合体させた【いいとこ取り】のクラブで、石川遼も2本を直近まで愛用。

【左】2022年1月発売の初代『APEX UW』で、石川遼が長く愛用していた段差付きのモデル。【右】2023年9月の2代目で、段差がなくなって上がりやすく進化し、柏原明日架ら女子プロが愛用

【左】2022年1月発売の初代『APEX UW』で、石川遼が長く愛用していた段差付きのモデル。【右】2023年9月の2代目で、段差がなくなって上がりやすく進化し、柏原明日架ら女子プロが愛用

段差ソールで抜けがよく、スピンを抑えた強弾道が打ちやすいため、ハードヒッターのPGAツアー選手や国内男子プロを中心に愛されてきたが、うがった見方をすれば【FWとUTのどっちつかず】でアマにはハードと言える側面もあった。かたや、2代目は段差がなくなり、スピンも入り上がりやすい万人向け。先日6年ぶりに勝利した柏原明日架を例に、女子プロは2代目を選ぶ傾向だが3代目はどう進化したのか。
 

段差ソール+Aiフェースで弾道操作◎

 
3代目のソールは、下記のように大人気の『ELYTE』フェアウェイに似た初代よりも大きく段差のあるソール形状(ステップ・ソールデザイン)になり、顔つきも「すごくバランスがいいというか、構えた瞬間からコレはいけると感じますね。ヒール側のふくらみも安心感がありますし、コレは女子も好きそうな顔」と話す辻村氏。

キャロウェイ APEX UW

その第一印象の言葉通り、70g台のオリジナル『TENSEI』は辻村氏にはアンダースペックだったものの、初球から糸引くような中・高弾道ドローで215yd先のピンを21°で捉えた。「打感もいいし抜けるし、何より操作性抜群です」と、薄いドローで1.5mのピンハイにつけると、「このUTは本当に操作性がいい。思い通りに何でもできますね」と、猛暑の中ハイテンションで試打にブーストをかける辻村氏。

どんどんヘッドスピードを増していき、ハイフェード、ローカット、ローフックと七色の弾道を披露し、やや左からのサイドアゲンストの風に応じた弾道で乗せ続けた。「何と言うか、リーディングエッジの形状が主張し過ぎず球の拾い方ちょうどよく、ライを選ばず何でもできるし中・上級者が長く使って手放せないクラブになりそう」。スピンの足し引き・弾道高低が操りやすい理由は、Aiフェースも寄与している。
 

打点毎に最適化するAi APEX FACE

 
というのも、23年モデルもAiフェースだったが、今作は『ELYTE』に採用された10X FACEと同様「コントロールポイント」を圧倒的に増やした『Ai APEX FACE』が採用されている。上級者のリアルなデータを読み込ませ、Ai設計した最新フェースは打点位置ごとに最適なスピン・打ち出し角へと補正してくれるため、より辻村氏の意図通りに弾道が反応していた。

また、当日は4H相当の【21°】のみのテストで他の番手は打たなかったが、今作は番手間の長さの差を【0.75㌅差】に変更。2代目の21°より0.25㌅短くなったことを意味するが、Aiフェースで高くスピンの効いた球も打てるため辻村氏は「全く問題ない」。より番手ごとに距離ピッチが作りやすい点を評価していた。
 

軽量で弾くチタン製『スーパーハイブリッド』

 
この3代目が番手間0.75㌅差で距離ピッチをしっかり出せる設定なのに対し、軽量・チタンフェースでもう1機種用意されていた『APEX Ti SUPER HYBRID』は、元々『ELYTE』UTより0.25㌅長く、番手間は0.625㌅差になっている。こちらの新作も当然、辻村氏は入念にチェックした。

キャロウェイ APEX Ti SUPER HYBRID

同じロフト21°の4Hを打つと、軽量で長い上にチタンフェースの重量配分の影響か、辻村氏が打つと『APEX UW』より一段とホップし、スピンの入った大きな弾道になった。歴代『スーパーハイブリッド』はサイズも大きくお助け要素も強かったが、今作は「操作性も上がった印象です」と辻村氏。
 
「可変スリーブも調整に使えそうですし、さっきの『APEX UW』より構えた見た目に後ろが短くて、よりディープフェースに見えますね。それに、少しオフセットのある顔つきですし、よりダウンブローに打ち込む人に使いやすそうです。チタンらしい弾きでもしっかりスピン量を足せるので、硬いグリーンでも止められそうですね。コレは非力なシニアだけじゃなく、女子選手も含めて幅広く使えるゴルファーが多そう。強く打ち込んでも、段差のあるソールでこちらも抜けが良かったです」

いずれも21°だが、スピン量が多い『APEX Ti SUPERHYBRID』の方が215~220ydで止まりやすく、高さを抑えた強い球も打てる『APEX UW』は215~235ydと汎用性の高さを評価した辻村氏。いずれも9月発売の新作を早々にチェックし「弟子たちのギア選びにも参考になりました。さすがキャロウェイさんでしたね」と笑って、名門コースを後にした。

5球以上を打った平均データ。打ち込みやすい『APEX Ti SUPERHYBRID』の方がスピン量が平均して600回転多くなっている
データを計測したのは、アンプラスが代理店のフォーサイトスポーツ社の最高機種『クワッドマックス』。カメラ式で正確なスピン量・初速を計測できる
元々タメの強いドローが持ち球の辻村氏。アンダースペックのUTでもかなり打ち込んで打っていた
1 / 5
5球以上を打った平均データ。打ち込みやすい『APEX Ti SUPERHYBRID』の方がスピン量が平均して600回転多くなっている

おすすめコンテンツ

関連サイト