ALBA Net  ゴルフ
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パットが苦手なら試す価値あり</br>ショートスラントネックで技術向上

text by Kazuhiro Koyama

配信日時:2018年11月2日 12時00分

ショートスラントで、パターの扱い方を学ぶ

ショートスラントネックなら、L字型に近いフィーリングで打てる。 写真は『TPコレクション SOTO』

ショートスラントネックなら、L字型に近いフィーリングで打てる。 写真は『TPコレクション SOTO』

フェースの開閉をしやすいパターは、難しいと思われがちだ。真っ直ぐに引いて真っ直ぐにストロークしたほうが、カップインする確率は高いように思える。実際にそんな真っ直ぐなストロークをイメージして打っているゴルファーも多いだろう。

しかし、パターにはライ角があるので、たとえフェースバランスのパターであっても、フェース面の向きが変わらない完全にストレートなストロークを作るのは難しい。インパクト前後では、なるべくフェースをスクエアに保ちたいものだが、その点をあまり意識してしまうと、手首や前腕部を使い過ぎてしまい、かえって再現性の低いストロークになりかねない。

そして、ボールをつかまえるストロークが出来ないと、強い転がりが得られない。適切なフェースローテーションの中でボールをとらえると、より前に進んでいくような良い転がりになる。そのためにはフェースが適度に開閉していたほうがいい。

パッティングが苦手なゴルファーに共通するのは、ボールの転がりが弱いことだ。ボールがつかまっておらず、いわばパットでスライスボールを打っているようなものなので、球質が弱い。そうなると傾斜や芝目の影響も受けやすくなり、ちょっとしたピッチマーク痕にも左右されるので、カップインの確率は下がってしまうし、距離感も出しにくい。

PGAツアーでは、大型マレットを使う選手は少ない。フェース開閉の行いやすいピン型やブレード型を使う選手が大半だ。それはツアーの難しいグリーンコンディションでは、操作性の高さがないと距離感や方向性を出していけないからだ。芝の種類も変わるので、それらに影響されない強い転がりが必要になる。

操作性という点では、L字型パターが優位性を持っている。大きなフェース開閉があり、アイアンと同じようなイメージでも打ちやすいパターだ。かつてのジャック・ニクラウスやベン・クレンショー、尾崎将司、現代では石川遼など、L字型パターの名手は数多い。ショートスラントネックの良さは、ヘッド自体は寛容性がありながら、L字型ライクな操作性を持っているところだと言えるだろう。

ここまで書いてみると、そんなに良いのならと、ショートスラントネックを試してみたくなるゴルファーも多いだろう。しかし、残念ながら苦手のパッティングがすぐ良くなるというものでもない。ボールを打ち続けることで、ストローク中のフェースの動きを感じて、強い転がりで打ち出せるようになる。繰り返しの練習が必要で、即効性があるわけではないのだ。

練習などと言うと、一見、遠回りに見えるかもしれないが、パターの扱い方がより上手くなり、付け焼き刃ではない技術が身につく。入らなかったら大型マレット、センターシャフト、それでダメならクロスハンドだなどと迷走するよりも、まずはベーシックなパターの扱い方を学ぶことからはじめても良いのではないだろうか。ショートスラントネックのパターは、その努力を実りあるものにしてくれるはずだ。

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