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タイガー、デシャンボー、そしてクーチャーが同じボールを使うそれぞれの理由

2017年マスターズ最終日、この年唯一となったホールインワンを、16番パー3でマット・クーチャーが達成した。グリーンの速さと激しい傾斜が特徴のオーガスタナショナルで、完璧にスピンコントロールされたクーチャーのホールインワンは、プロのボールへのこだわりが結実した瞬間と言えるだろう。

配信日時:2017年4月14日 15時55分

マスターズ最終日、マット・クーチャーがホールインワン!

2017年マスターズ唯一のホールインワンを決めたクーチャー Photo by Getti Images

2017年マスターズ唯一のホールインワンを決めたクーチャー Photo by Getti Images

 ジャスティン・ローズとのプレーオフまでもつれる死闘を制して、マスターズで念願のメジャー初勝利を果たしたセルヒオ・ガルシア。ゴルフファンの誰もが彼を祝福したその日、もうひとり、格別の一日を過ごした人物がいる。

 それは、マスターズ最終日の16番ホールで生まれた、マット・クーチャーのホールインワンの直後、見事にカップに吸い込まれたボールをクーチャーにプレゼントしてもらった、グリーン脇で観戦していた少年だ。トッププロであっても滅多に出ることのないホールインワンのボールを、なんの躊躇もなく少年ファンに送ったクーチャーの人柄に、ゴルフというスポーツの素晴らしさを改めて感じるシーンだった。幼い少年の興奮を思うと、優勝とはまた違った、格別の価値を持つ名場面だったと言えるだろう。

クーチャーのホールインワン&サイン【マスターズ公式HP】

 このエースもあり、クーチャーの最終成績は堂々の4位タイ。昨年のリオ・オリンピックでも3位で銅メダルを獲得と、近年、安定した成績を残している。これは、有頂天になっても不思議ではないホールインワンの直後に、ギャラリーに少年を見つける余裕からも察せられるように、ベテランらしく成熟したメンタル面が、要因のひとつになっているはずだ。

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