前作『クロカゲXT』は、マキロイ&ガルシア&アダムが愛用。“ネバーチーピン”シャフトに感じたが…
PCM編集長・村田辰也(以下、P編) 「筒さんが計測して、二人共全スペック試打完了済みだ。しかし、【自分の試打能力を問いたい】とは、中々男気のある試みだね。確かに、君には知識とヘッドスピードはあるけど、スピン量は多いわ、打点はバラつくわで、読者からしたら“コイツ、大丈夫かよ?”と疑われても仕方ないからね」
筆者 「そうなんです。ボクとしては、王道の識者の試打レポももちろん必要だと思うんですが、下手くそが打って結果が出せるかどうかの方が、情報として大事じゃないか?と思っていて、下手を正直に開示した上で試打レポ書いてるんですけどね…。なんか、こないだのPINGの試打ラウンドでボクのぶちかまし&ひん曲げを揶揄したり期待する同業者が多かったので、お二人にも正直なところを聞きたいなと」
PCM筒康博(以下、筒) 「分かりました。厳しく長岡さんのシャフトへの感じ方を聞いていくことにしましょう。それに辺り、まず、長岡さんがシャフトを体感しようとするときに、何を重視してどこを自分が感じ取るタイプだと思っているのか教えて下さい」
筆者 「ボクは切り返しがクイックなタイプなので、必然的にシャフトの手元部分に大きな負荷をかけるタイプだと思っています。もちろん、手元だけに負荷がかかるわけではなく、手元から中寄り、場所でいうとグリップの下部分辺りに切り返しで激しい負荷をかけるタイプだと思ってます。だから、まずは手元からグリップ下辺りの剛性が気持ちいいか?ここが自分なりのシャフトを見る際の指標でしょうね」
筒 「なるほど。ソレで言うと、前作の『KUROKAGE XT(以下、XT)』と今回の『KUROKAGE XD』ではどのような違いを感じましたか?」
筆者 「そうですね、『XT』を打ったのは随分前ですが、『XD』の方が手元剛性がマイルドだと感じました。『XT』に関しては、全体的に棒っ切れ感というかガチガチなハードさを感じていて、手元も先も中も自分にとってはハードでしたので、『XD』は『XT』の後継で同じ叩ける元調子系ですが、適度なマイルドさを感じます。でもって、『XT』はローリー・マキロイ、アダム・スコット、セルジオ・ガルシアが長年愛用するシャフトでもありますので、この3人がいつ『XD』に移行するだろうか?というのが見ものでもあります」
実はガルシアは『XD』でマスターズを制覇していた!シャフトが不変だからヘッドが変わっても大丈夫!?
筆者 「えっ!?そうだったんですか、でも、つかまるから思い切り叩ける、キャロウェイの『ローグサブゼロ』の性能がすごくいいので、そっちの影響もかなりあると思うけどなぁ。ただ、そう聞くと、どおりでガルシアはあの深いタメなはずです。こっちのほうが『XT』よりタメやすい気がしましたもん。切り返しで『XT』よりも少し粘りっ気を感じますから」
P編 「ガルシアはどんなシャフトでも強烈にタメるよ。去年のマスターズのときはテーラー『M2』のヘッドでぶんぶん振り回しながらも強烈に大きな球を打っていただろう?300ヤードキャリー+強烈ランみたいなさ。打ち出しから強烈に高い、低スピンのビッグボール。ここが一つのヒントでもあるよね。だって…」
筒 「ちょっと待って!!村田さん。今回はノーヒントで長岡さんの試打能力を測りたいので、答えを言わないでください!長岡さん、手元剛性は分かりました。では、その他は?長岡さんのシャフトの感じ方と、今回の『XT』と『XD』の違いについて」