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大慣性モーメントのドライバーに、新たな潮流

text by Kazuhiro Koyama

配信日時:2017年12月25日 19時00分

ドローバイアスを強めて、つかまりがいい『TOUR B JGR』

一方、市場のドライバーの中で、比較的慣性モーメントが大きくないドライバーでも、ヒット作になっているモデルもある。代表的なのが、ブリヂストンの『TOUR B JGR』やミズノMP』だ。

『TOUR B JGR』は、プロも使用するドライバーでありながら、しっかりとボールのつかまりがあるのが特徴だ。ヘッドの重量配分は、フェースが返りやすいドローバイアスを強調しているため、慣性モーメントはやや小さくなる。 

ミズノMP』は、美しいヘッドと、喰いつくような軟らかな打感が特徴だ。パーシモンを思わせるような伝統的な形状が、扁平で投影面積が大きい、大慣性モーメントのドライバーと比べて、慣性モーメントが小さくなるのは、むしろ自然といえるだろう。

この2モデルも、ヘッド体積は460ccとルール最大だ(※ミズノは『MP TYPE2』の場合)。体積は変わらなくても、4000g・cm2弱から5000g・cm2強まで、それぞれのドライバーの慣性モーメントには、大きな幅があるのは面白い。

慣性モーメントが小さくなることは、メリットも少なくない。振りやすさは向上し、シャープに振れる分、ヘッドスピードのアップも期待できる。『TOUR B JGR』のように、ドロー回転を得やすくなる場合もある。

現在、世界のプロツアーでは、大慣性モーメントのドライバーで、なるべく曲げずに、ドーンと飛距離を稼ぐスタイルが主流だ。しかし、『G400』でヘッド体積が小さくなったように、今後、ドライバーは振りやすさを求める傾向が出てくるかもしれない。その際に、大慣性モーメントのトレンドもいくぶん揺り戻しが起きる可能性もあるだろう。

結論は、自分が振りやすく、かつ結果が良いドライバーを選ぼう、という、至って当然のものになるのだが、それぞれのドライバーの特徴を理解してから試してみると、案外、案外な発見があるのではないかと思う。

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