難コースを巧みに攻略した、片岡大育のゴルフ総合力
オーガスタナショナルGCを思わせる白い砂のバンカーと変化に飛んだコースレイアウトで、関東圏のアスリートゴルファーをうならせる難コースで、中でもグリーンは、秋のシーズンともなると通常営業でも12〜13フィートという超高速になる。さらに、ポテトチップスのようなうねりの大きな傾斜があり、腕自慢のアマチュアでも、油断すると3パットの山を築いてしまう。単に、飛距離が出る選手が有利ではなく、コースマネージメントとショット精度、そしてパッティングと、ゴルファーとしての総合力が問われるゴルフ場だ。
そんな難しいコースであっても、高山忠洋が初日に「62」をマークするなど、アンダーパーが続出したことは、国内男子プロの実力の高さを証明した格好となった。
そして、優勝したのが若手のホープ、片岡大育だったのは、ファンにとって納得感のある結果だったのではないだろうか。ドライバーの飛距離は、平均269.4ヤード(※ツアー105位。ダイアモンドカップ終了時)とむしろ飛ばない部類になるが、セカンドで長い距離が残ってもユーティリティを巧みに使い、他の選手のロング・ミドルアイアンよりも高精度でピンを狙う。ショートゲームが武器で、パッティングの冴えはツアーでも屈指の上手さを誇る選手だ。
同社のボールの中で言えば、ショートゲームの得意な選手は、よりソフトな『TOUR B XS』の系統を使用している事が多い。マット・クーチャーや上原彩子をはじめ、タイガー・ウッズも前作となる『TOUR B330S』の性能に惚れ込んでの契約となった。
実は、片岡もずっと『S』系のソフトなボールを愛用していたのだが、前作から、よりスピンの少ない『X』系に変更したのだという。スピン量が多いタイプの片岡は、もともとドライバーでも3000回転/分を超えていて、アゲンストの風での飛距離不足が課題だった。『X』への変更で、スピン量が減ったことでより飛距離が伸び、アゲンストに強い弾道になったという。ウィークポイントである飛距離を、ボールを変えることで補うことが出来たのだ。