前作の名器『JGR』エースを失ってから、ドライバーに悩んできた片岡大育
その後は、破損したエースに近いものを次々とテストする様子を目にしたが、どれもしっくり来ず、エースドライバー不在に悩む様子が手に取るように伝わってきた。その結果は数字にもしっかり現れている。2015年のドライビングディスタンスは「270.7ヤード」だったが、エースが破損した2016年は「263.89ヤード」と、7ヤードも落ち込んだ。いくら曲がらないショットが武器といえど、平均飛距離が7ヤードも減ってよしとするプロがいるわけがない。片岡はこう振り返る。
「シャローで超いい顔。上がってつかまって曲がらない。10ヤードは違う感覚」(片岡)
エースのヘッドが壊れた後、『J815』の赤いヘッドや『TOUR B』のいろんなタイプをテストしていたんですが、ヘッドの挙動がピッタリ来るものがなかった中で今年のオフシーズンに発表前の『TOUR B JGR』の黒いプロトタイプ(P01-7)をテストしたときに、“よし! この顔、ヘッドの性能ならいける”という感じになりましたね。で、6月に製品版の『TOUR B JGR』のデザインのものを渡された瞬間から、確信に変わりました。もう、ヤバイ! めっちゃいい!ってね。
前の『JGR』もすごく良かったんですが、こっちの顔の方が断然イイ。前の『JGR』はちょっとディープに感じていたんですが、元々ボクはシャローフェースの方が、球が上がりやすそうで好みなんです。『TOUR B JGR』の顔は本当に構えやすくて完璧。スイング中に感じるヘッドの挙動も、すごく慣性モーメントが大きい感じでつかまるし、上がるし曲がらない。ブリヂストンが言う“飛距離モンスター”という言葉のままですよ」(片岡大育)
言葉どおり、片岡の現時点でのドライビングディスタンスは「269.4ヤード」。本人も「10ヤード近く伸びている感覚」と『TOUR B JGR』がエースとなってから、飛距離アップを実感しているという。
考えてみれば、真芯に当たること自体が珍しい我々アマチュアゴルファーとは違い、ツアープロたるもの、どんなクラブでも常に芯近くでボールを捉えることは当たり前。しかも、その中でもショットメーカーの片岡なら尚更だ。クラブを替えて10ヤード近く伸びるのはさぞかし衝撃だったと想像がつく。