Toshi HIRATA氏の【最強万能ドリル】なら……
筆者がこれに取り組む理由は、2人の師匠の存在が大きい。まず、一人目は、ギアの師匠であるPCM編集長の村田辰也氏。53歳だが、先日もロッテ葛西のネットにプロギア『赤egg PC』の7番でダイレクトキャリーさせるほどの飛ばし屋だ。ドライバーのヘッドスピードは47m/s前後で、正直筆者のマン振りよりも3、4m/s遅い。ところが、このPCM編集長こそが、トーマスよりも激しいナチュラルジャンプアッパー。筆者よりヘッドスピードが遅くとも30ヤード以上前にいくこともしょっちゅうで、ジャンプアップのエネルギー効率の良さを筆者は嫌というほど目の当たりにしているのだ。
お目汚しを失礼!スピンアウト&フリップしまくりの筆者の醜いスイング…
そこへ救世主が現れた。前述のToshi HIRATA氏である。元A級ティーチングプロであるHIRATA氏はかねてからジャンプアップのメリットとデメリットを解説し、その正しい取り入れ方について筆者に唯一詳しく解説してくれたスイングの師匠と呼べる存在だ。(ジャンプアップという動き自体を解説する人はたくさんいても、その取り入れ方を詳しくレッスンできる人物は極めて少ない)
右足を外して左足1本。しかも、左足指は地面から離し、左ヒザを伸ばしながら打つ!って、最初はバランス取れませんよ
これまでの筆者のスイングでは、左カカト中心に回転するため、左足拇指球が地面を捉えていなかった。だが、このドリルではそうはいかない。左足拇指球で地面を強く押さなければスイング出来ない状況になっているのである。この極めて打ちづらいドリルの結果、どうなったかというと、スピンアウトが一気に解消された。そして、「もう一生直らないだろうな」と観念していた右手のフリップ癖が直ってしまった。(以前よりはるかにハンドファーストな球捉えに変化し、スピン量が激減した)
ジャスティン・トーマスになることは不可能でも、その強さのエッセンスを盗むことはできる。ヘッドスピードは上がらなくても、今よりエネルギー効率を増してボールを前に運ぶこともできる。トーマスの年間王者を讃えると共に、そんなことを感じる9月25日の朝だった。
Text/Mikiro Nagaoka