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カーボンウッド時代の幕開け『ステルス』登場。前作『SIM2』シリーズと、どう違うのか?

テーラーメイドが20年以上も極秘裏に開発を進めてきたNEWドライバー『ステルス』。フェースにカーボンを使用することで、かつてない飛びと寛容性を生む新時代のドライバーだが、なぜコレが時代を変えると呼べるのか?(撮影・相田克己、文・苔縄和裕)

配信日時:2022年2月10日 07時00分

カーボンフェースは金属には成し得ない飛距離と寛容性を生む

テーラーメイドからフェースの素材にカーボンを使った画期的な「ステルス」ドライバーが登場。情熱的な赤いフェースが目を引く、新時代のカーボンウッドだ。カーボンは航空機やF1、宇宙産業でも使われていて、チタンなどの金属素材に比べ【1】軽い、【2】強度が高い、【3】設計自由度が高い、【4】再現性が高い、というメリットがある。

「ステルス」はその特長を生かし、ヘッドの重量バランスを最適化。エネルギーの伝達効率を上げることで、チタンフェースでは成し得ない飛距離と方向安定性を実現している。また、カーボンフェースといえば、「弾きが弱そう」「音が悪い」というイメージを持たれるが、「ステルス」は60層のカーボンを重ねて、高い強度と反発性能を実現。

フェースは複雑な構造の60層のカーボンを精巧に重ね合わせることで、高い強度と大きなたわみを両立。フェースのより広い範囲でボール初速のアップを可能にし、優れた飛距離性能と寛容性を実現する。また、フェースの表面にナノレベルのポリマーコーティング(PU)を施すことで、フェースがドライの状態でもウェットの状態でも最適なスピン量を可能にし、強くて伸びる弾道を実現した。

フェースの軽量化で飛距離と方向性がアップ!

さらに、音の研究チームを作り、チタンに負けない爽快な打球音を生み出している。カーボンの弱点を克服し、メリットを最大限に生かした「ステルス」は、「メタルウッド」から「カーボンウッド」へと新時代を切り開くドライバーだ。

「ステルス」はヘッド重量の20%を占めるフェースを約半分の重さにすることで、フェースとボディの重量比が2:8から1:9に。すると、軽くて硬いフェースが受け止めたエネルギーを、後ろから重いボディが真っすぐ押し込む形になり、エネルギーの伝達効率が上
がって、飛距離と方向性がアップする。

この新機軸のカーボンフェース以外にも5つの機能が健在で、「スピードインジェクション」のみがなくなることになった。精巧に作れるカーボンフェースは、チタンフェースと違って最初からルールギリギリの反発を狙って作れるという。

プロが証言「カーボンの飛びと打感はチタンを超えた」

カーボンフェースの『ステルス』ドライバーをテストした5人のプロが口にしたのが、飛距離性能の高さ。全員ボール初速が1.5〜2ms上がり、前作よりも飛距離が5〜10ヤード伸びたとか。「とにかく初速が出るし、叩いてもスピンが増えません」(塩見)「軽く振っても今までと同じ距離が出るので、安心して試合で使えます」(久常)と太鼓判を押す。また、カーボンフェースの打感にも好意的な意見が続出。

「カーボンというと打感が硬いイメージがありましたが、ボールが潰れる感触があって、むしろ柔らかさを感じました」(石坂)「打球音もチタンと比べて違和感がなく、いわれなければカーボンだとは分かりません」(山路)「チタンよりも衝撃が少ないのに初速が出る新鮮な打感で、私はすごく好きですね」(永峰)と音に厳しいプロがこぞって賞賛する。

これには、テーラーメイドの音の専属チーム、サウンドエンジニアリングチームの存在がある。チタンフェースの場合、インパクトの音は高音域で余韻の中音域が短いのに対し、カーボンフェースの『ステルス』は、人間が心地いいと感じる中音域が長く続くのが特長。これによって、チタンに近い打球音ではなく、チタンを超える心地いい音を実現しているのだ。

さらに、見た目についても、「赤と黒のデザインがめちゃくちゃカッコいいですね。赤いフェースは燃えるようなパワフルなイメージが湧き上がります」(石坂)「黒いヘッドにフェースの赤が際立って、アライメントが取りやすいです」(永峰)と高評価。全員が試合ですぐに使いたいと明言する『ステルス』は、クラブに厳しいプロの想像を超える高機能ドライバーなのだ。

ステルスはSIM2 MAXより8ヤード伸びた!

ツアープロが揃って飛距離を伸ばした「ステルス」ドライバー。その飛距離と方向安定性の高さを確かめるべく前作の「SIM2 MAX」と比較してみると、飛距離もミスヒットに対する強さも明らかに向上していることが分かった。カーボンフェースの『ステルス』ドライバーを打って、その初速の速さに驚いたというのが、石井良介だ。

「打感や打球音はまったくカーボン感がなく、『SIM2 MAX』よりも弾きの強さを感じます。それも、硬くて薄いフェースの弾きではなく、テーラーメイドらしい球持ち感がある中で初速が1.4m/sアップ。また、ボディも含めたヘッド全体の剛性も感じられて、芯で打っても打点をズラしてもボールに当たり負けする感覚がありません。
また、同じ深重心ヘッドでも、『SIM2 MAX』がヘッドの一番後ろにウェートを置くことで、インパクトでお尻が下がり打ち出しが高くなるのに対し、フェースを軽くしてボディ全体の比重を上げた『ステルス』は、重いボディが真っすぐボールを押すことで、強弾道の飛びと方向性の高さを実現しています」(石井)

アスリート好みのシャープな顔に変わったことも「球筋や球の高さをイメージできるカッコイイ顔です」と評価。白と黒のコントラストでスクエアに構えやすい「SIM2 MAX」に対し、「ステルス」は締まって見えるマットブラックで、形状もヒール側が絞られたシャープな洋ナシ型。打ちたい弾道をイメージできる上級者好みの顔になった。

【直進性】【強弾道】【ハイドロー】の3つのステルスで誰でも飛ばせる!

テーラーメイドのステルスシリーズには、「ステルス」「ステルス プラス」「ステルス HD」の3機種がラインナップ。それぞれどんな特徴があって、どんなゴルファーに合うのかを石井良介が徹底検証した。

『ステルス』シリーズには、直進性、強弾道、ハイドローの3つのタイプがあるが、すべてに共通するのは、フェースの開閉をイメージさせる洋ナシ形状で、ヘッドを地面に置くとフェースが開くこと。3タイプともオートマチックに球が上がってつかまるタイプではなく、ある程度自分で球をつかまえられる人が飛ばせるクラブだと石井はいう。

「一般アマチュアが選ぶときに、まず試してほしいのは『ステルスHD』。その上で、もう少し球のつかまりを抑えたい人は『ステルス』を試してみて、それでも左が気になる人は『ステルス プラス』というふうに選んでいけばOKです。

また、『ステルス』シリーズはロフト選びも重要です。9度は10・5度よりも、かなり弾道が低くて低スピンになる傾向があります。今回の試打は9度で行いましたが、ショップなどで試打をするときは、できるだけ9度と10・5度の両方を打ってみて、選ぶことをお勧めします」

アマチュアの基準は「ステルスHD」

アマチュアの基準となる、一番最初に打つべき【ステルスHD】について、「ナチュラルにヘッドがターンして、球筋は中〜高弾道のストレート〜ドロー。3モデルの中では最もつかまるタイプだが、スライサーでもドローが打てるタイプではなく、左への曲がり幅は10ヤード以下。幅広いゴルファーが安定して飛ばせるバランスの良さが特長」と石井。

次に、【HD】よりつかまりを抑えられる【ステルス】の順。「ヘッドの動きがニュートラルで、カーボンフェースから打ち出されたボールが、そのままの高さで伸びていく。球筋は中〜高弾道で低スピンのストレートから落ち際でわずかにフェード。ある程度、自分で球をつかまえられる中上級者が強弾道ボールで飛ばせるクラブですね」。
最後にセレクトフィットストア限定の【ステルスプラス】については「3モデル中、最も重心深度が浅くてフェースコントロールがしやすい。球筋は中弾道で超低スピンのフェード。叩いても左に行かずスピン量が増えないので、パワーヒッターが強弾道フェードで飛ばせるし、フェースを閉じながら球をつかまえて飛ばすこともできます」とのこと。

『SIM』や『SIM2』シリーズとフェース素材が変わり、選ぶロフトやモデル選択も変わる可能性のある、カーボンウッド『ステルス』シリーズ。既に予約受注でロフトやモデル選択に影響が出るほどの人気っぷり。気になっている方は、お早めに。

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