タイガー親子が使ったのはブリヂストンのNEWボール
現行モデルの『TOUR B XS』は、開発段階からタイガーの意見を多く取り入れたことが知られている。このときの経験は開発スタッフにとっても大きなフィードバックであり、新しいボールを開発する上でも大きなヒントになっていたはずだ。
大ケガから復帰明けのタイガーは、現行モデルのときとは異なり、入念にボールをテストする余裕はなかったはず。しかし、タイガーの求めるものをよく理解する開発スタッフだけに、そのポイントを外すことはなさそうだ。スクランブル戦とはいえ、ボールに極めて強いこだわりを持つタイガーが、復帰戦ですぐ使用を決めたことがそれを物語っている。間違いなく、その完成度は高いだろう。タイガー自身もTwitterで「PNC選手権で使うのが楽しみだ」とツイートしている。
【Twitter @TigerWoods】
Looking forward to putting the new @bridgestonegolf prototype ball in play at the PNC Championship. #ComingSoon #NewTOURB #TOURBProto pic.twitter.com/s9bLWgwixz
— Tiger Woods (@TigerWoods) December 15, 2021
新しいボールの完成度を示したのは、むしろチャーリー君だったかもしれない。年齢に似合わないクレバーで落ち着いたプレーとタイガーにそっくりなスイングは、多くの人を驚かせた。ティショットはフェードでフェアウェイを捉え、アイアンショットではタイガーのようなスピンコントロールで何度もピンを刺して、偉大な父親の内側につけたシーンも多かった。
【YouTube PGA TOUR】「PCN選手権」チャーリー・ウッズ ベストティーショット集
12歳の頃のタイガーは、指導を仰ぐプロに「どうしたらバックスピンでボールが戻りすぎるのを防ぐことが出来るのか?」を質問したというエピソードが残っているが、チャーリー君のレベルは、すでにその域を超えている。風やグリーンの傾斜を巧みに計算し、球筋を操りながら、ピンを果敢に狙っている様に、多くの人が往時のタイガーのプレーと重ねて見ていただろう。
大事故を乗り越えて、ウッズ親子がプレーする姿は確実に多くのファンの胸を打った。あの姿を見ると、タイガーが再びメジャーの舞台に戻る日もそう遠くないようにも思える。常に不可能を可能にしてきたタイガーだけに、その期待が大きく膨らんだ2日間だった。