ALBA Net  ゴルフ
ALBA Net  ゴルフ

大事故から奇跡の復活! タイガーが親子で試合出場

2021年2月に起きた自動車事故で、選手生命を脅かされる重症を負ったタイガー・ウッズ。懸命のリハビリの末、ツアー外競技「PNC選手権」で愛息のチャーリーくんとともにスクランブル競技に出場するまでに復活したタイガーは、新しいBSのツアーボールにスイッチしていた。(text by Kazuhiro Koyama)

配信日時:2021年12月21日 13時00分

タイガー親子が使ったのはブリヂストンのNEWボール

「PNC選手権」でタイガー親子はBSのNEWボールを使用。最終日に11連続バーディを奪った(写真:Getty Images)

「PNC選手権」でタイガー親子はBSのNEWボールを使用。最終日に11連続バーディを奪った(写真:Getty Images)

「PNC選手権」でタイガーは、テーラーメイドの新ドライバーを投入し、おそらく新製品になるであろう、ブリヂストンの新しいツアーボールを使用した。これは、先だってブライソン・デシャンボーが、ブルックス・ケプカとのスキンズマッチで使用したボールのシリーズで、おそらくタイガーは少し軟らかめの現行『XS』の後継モデルを使用しているだろう。

現行モデルの『TOUR B XS』は、開発段階からタイガーの意見を多く取り入れたことが知られている。このときの経験は開発スタッフにとっても大きなフィードバックであり、新しいボールを開発する上でも大きなヒントになっていたはずだ。


大ケガから復帰明けのタイガーは、現行モデルのときとは異なり、入念にボールをテストする余裕はなかったはず。しかし、タイガーの求めるものをよく理解する開発スタッフだけに、そのポイントを外すことはなさそうだ。スクランブル戦とはいえ、ボールに極めて強いこだわりを持つタイガーが、復帰戦ですぐ使用を決めたことがそれを物語っている。間違いなく、その完成度は高いだろう。タイガー自身もTwitterで「PNC選手権で使うのが楽しみだ」とツイートしている。

【Twitter @TigerWoods】


近年のブリヂストンのツアーボールの躍進は、かつて世界ランキングが1199位にまで落ちながら、2019年には「マスターズ」で14年ぶりに優勝し、「ZOZOチャンピオンシップ」で歴代最多のツアー通算82勝をあげた復活劇と重なる。ケガなどで思うようにプレーできなかった時期にブリヂストンと契約したタイガーは徐々に成績を向上させていき、それに導かれるように、『TOUR B X/XS』を使った多くの選手たちが優勝を飾った。

新しいボールの完成度を示したのは、むしろチャーリー君だったかもしれない。年齢に似合わないクレバーで落ち着いたプレーとタイガーにそっくりなスイングは、多くの人を驚かせた。ティショットはフェードでフェアウェイを捉え、アイアンショットではタイガーのようなスピンコントロールで何度もピンを刺して、偉大な父親の内側につけたシーンも多かった。

【YouTube PGA TOUR】「PCN選手権」チャーリー・ウッズ ベストティーショット集


12歳の頃のタイガーは、指導を仰ぐプロに「どうしたらバックスピンでボールが戻りすぎるのを防ぐことが出来るのか?」を質問したというエピソードが残っているが、チャーリー君のレベルは、すでにその域を超えている。風やグリーンの傾斜を巧みに計算し、球筋を操りながら、ピンを果敢に狙っている様に、多くの人が往時のタイガーのプレーと重ねて見ていただろう。

大事故を乗り越えて、ウッズ親子がプレーする姿は確実に多くのファンの胸を打った。あの姿を見ると、タイガーが再びメジャーの舞台に戻る日もそう遠くないようにも思える。常に不可能を可能にしてきたタイガーだけに、その期待が大きく膨らんだ2日間だった。

読まれています


おすすめコンテンツ

関連サイト