「ブレード=1枚板の軟鉄鍛造」の常識を、やさしさのPINGが再定義。そんな、全く新しい“新構造”ブレード『i59』が9月9日の発売以来、スマッシュヒット! 谷口拓也プロが「特に【中・上級者は必見】です!」と語る理由とは?
ツアー40勝の『iBLADE』の後継。既に使用実績も十分
➡前作『iBLADE』とほぼ同じ小ぶりなサイズ。この薄くシャープが実はまさかの新構造!
ALBA.netでは、
PING『i59』がプロトタイプとしてツアー投入された頃から追いかけてきた。コンパクトで操作性に優れたツアー40勝の実績を誇る『iBLADE』の後継に当たるのが『i59』アイアンだという。
そして、プロトタイプの頃から使用し始めた、ヴィクトル・ホブランがPGAツアー「BMW選手権」で優勝。国内男子ツアーでも高柳直人が絶賛、国内女子ツアーでも比嘉真美子も一日10アンダーを出すなど、発売前からツアー実績十分の話題作なため、既にチェック済みの人も多いはず。なぜプロが使いやすいのか、高柳直人はこう言う。
「『i59』の慣性モーメントは『i200』や『i210』に近く、『BLUEPRINT』よりもフェースは返りづらいです。『iBLADE』や『i210』に比べてネックがストレート気味で、よりフィーリングは出ますね。それに『i200』や『i210』よりソール幅も狭く、地面が硬い時もバンスが当たり過ぎない。『i59』は『i210』のような慣性モーメントに、『BLUEPRINT』のような狭いソール幅で、僕の中では両方のいいとこ取りに感じます」(高柳直人)
▶▶▶高柳直人&比嘉真美子が使う「シャープな」新アイアンは、“マッスル”と“キャビティ”のいいとこ取り
比嘉真美子も1日10アンダーを出した際、こう言っていた。
比嘉真美子が言うように、ソール幅が『i210』(右)より狭くなっています
「リゾートトラストで久々にトップ3に入れたんですが、その前週にアイアンを替えて上手くハマった感じ。ちょっとマッスルバックというか、シャープなものでグンと良くなった。(構えた時の顔が)カッコよくてどんなライでも繊細なイメージが出やすい。前にこういうアイアンを使ったのは多分4、5年前だと思うんですけど、性能がいいのは勿論、格好良いなと。クラブは身体の一部だと思うので、好きで納得するもので戦うことに重きを置いていて、一目見た瞬間に好きだなと。
性能もすごく良いと思います。ソールが厚くないのでライが悪い時やラフとか、抜けが良くしっかりと悪いライに対応してくれるので、自分がちゃんとしたパフォーマンスをすれば良い結果が付いてきてくれると自信を持って打てる。すごく抜けが良くて(18番の2打目の悪ライでも)ちゃんとコンタクトして行けたのでバーディチャンスからストレスなくパーを取れたりとか、そういう所が凄く助かっているなと」(比嘉真美子)
▶▶▶比嘉真美子、10バーディ発進。『スピーダーNX』を投入も、『i59』アイアンの効果!
PINGはコンパクトなブレードをどう進化させたのか? ギアに詳しい谷口拓也プロにコースで徹底的にチェックしてもらった。
アルミ・コア・インサートの初採用で「ソリッドな打感と寛容性」
「アルミが入るとソリッドな打感で、ツアーボールがソフト化していく流れと相性◎ですよ。正に【現代版ブレード】ですね」(谷口拓也プロ)
ツアー2勝のこれまで積み重ねたキャリアのほぼ全てで、一枚板の軟鉄鍛造のブレードアイアンを使用してきた谷口プロ。そこに疑いもなく、「その選択肢しかなかった」と振り返る。『i59』アイアンを見るなり、そのコンパクトなサイズ感やシルエットの美しいブレードに「ボクらプロから中・上級者が好むブレードそのものですね」と頷く。が、打ち終わった後の反応が面白かった。
「中・上級者好みの一枚板の軟鉄鍛造ブレードが進化しなかった理由は、ヘッドの中が詰まってたせいだったんですね……」と、
PINGの説明を聞き、半ばうなだれつつ、しみじみ語る。“新構造”ブレード『i59』の試打後の感想だから無理もない反応で、なんと、今回『i59』は
PING初の【アルミ・コア・インサート】を採用していた。
「ヘッドの内部、フェースの後方に、軽量の【アルミ・コア・インサート】というインサートが入ってます。この効果としては、非常にフィードバック(打感)が得やすく、ソリッドな打感・打球音になります」(
PING根津氏)
フェースの後方が軟鉄よりも遥かに
軽いアルミだと、周辺重量配分で寛容性が増し、打感のフィードバックも◎と「いい事づくめ」。これがまさに高柳直人が言っていた、『i210』より小さいのに同等以上の慣性モーメントを出せた理由で、一枚板の軟鉄鍛造ブレードを使ってきた谷口プロは即座にその効果を感じ取っていた。
新溝が4本増。「全番手安定してスピンが入る」
⬆「ブレードでミート率1.42は自分の5Iでも出ません。アルミで寛容性◎だからこその数字だし、何よりスピン量と打感のフィードバックが素晴らしい!」
また、溝の角度と間隔を最適化した新溝【マイクロマックス・グルーヴ】を初採用し、前作比較で溝の本数が4本も増えた。これでラフからのフライヤーを防ぎ、ミドル〜ロングアイアンでも止まりやすい。トラックマンで『プロV1』を打った結果に谷口プロも驚く。
「中がアルミになると、ミスに強いし上下・左右の打点がどこかよく分かりますね。それに、コレ、本当によく止まるし、初めて打つのにタテ距離も合います。アイアンのタテの距離感って【当てた後どう押すか】が大事で、打感と摩擦が超重要なんですよ。新溝の効果か、球がフェースをどうかけ上がるかも分かるのでスピンもしっかり入る。
ブレード使いのプロのスピン量の基準は、基本的に【番手の数字 ✕ 1000回転】。『i59』は7Iで7000回転以上、5Iで5000回転と止まるし、けっこう打点を外してもスピンが安定して入ります。弾道カーブも作りやすいのに、打点ブレに強いのは一枚板のブレードを完全にアップデートしてますよ」(谷口プロ)
ボディは軟鉄鍛造。「番手毎に厚みが最適化されてる!」
【ロフト/長さ/ライ】34°(7I)/37インチ/62°【重さ(7I)】約431g (N.S.PRO MODUS3 TOUR 115 S)、約443g(DG EX TOUR ISSUE S200)【 税込価格】38,500円〜
普段、自身のアイアンには『ダイナミックゴールドAMT』を使用している谷口プロ。『i59』には『
N.S.PRO モーダス3ツアー115』が入っており、このシャフトも初めて打つため、切り返しやインパクトのタイミングに慣れが必要なのは当然。にもかかわらず、『i59』では番手毎に最適弾道を描ける。この理由を不思議がっていた谷口プロは試打の後半でハッと気づき、驚きの声を挙げた。
「コレ、番手でボディの厚みが微妙に違いますよ!
PINGには珍しい軟鉄鍛造ボディですけど、番手毎に重心が計算され尽くしてます。慣れないシャフトなのに、なぜ番手別で完璧な弾道が出るか謎でしたけど、理由が分かった。このヘッド凄い!」(谷口プロ)
「複合モデルは変に低スピンなものも多いけど、『i59』はホント、全番手、安定したスピンで止められますね」
PINGの複合構造のアイアンでは、ボディの軟鉄(1025)鍛造は初採用。アルミ・コア・インサートでできた余剰重量を最適配置し、高比重ウェイトも搭載。ミスヒットに強い究極の重量周辺配分設計に進化させていたのだ。
ブレード好きの中・上級者なら、谷口プロと同じ驚きが体験できるはず。従来のブレードと、新構造のブレード。“違い”をぜひ体感してほしい。
取材協力・南総カントリークラブ
撮影・山代厚男
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