風に負けずに推進力が落ちにくい
この2〜3月は、関東で風の強い日が多く、ゴルフには厳しいコンディションも少なくなかった。風速にして、3〜6mのアゲンストの風が吹き、アイアンの番手を1番手上げなくてはいけないような局面があったとする。ショートアイアンやウェッジでは、吹け上がって前にいかなくなるようなこともある。
ツアー系ボールでは、吹け上がりを想定して、少し大きめの番手で低く打つようなテクニックを使いたくなる局面で、『JGR』はスッと前に飛んでくれるような強さがある。もちろん、風の影響はあるのだが、それに負けずに推進力が落ちにくい傾向があるのだ。この性能は、ティショットでもありがたいし、セカンド以降でも距離感が合わせやすい。
曲がりにくく、スコアメイク向きの機能
ディスタンス系ボールの弱点であるアイアンやグリーン周りのスピン性能が、まずまず及第点であり、一方ディスタンス系ボールの強みである、風の強さや曲がりにくさを享受できるのが、『JGR』ボールのいいところだ。この3つの利点は、スコアを良くするという点で、かなり有利に働きそうだ。この性能を体感すると、競技志向はスピン系、エンジョイ派はディスタンス系、という常識も崩れてしまいそうだ。
最後に、飛距離に関してだが、条件にもよるが筆者の場合は、五分五分かやや『TOUR B X』に軍配が上がる結果になった。これは少し意外だったが、ドライバーの飛距離が250〜260y前後の筆者だと、元々バックスピンも多くないので『JGR』はやや潰れすぎるのかもしれない。効率的に、ボールの反発を得るためには、やはり適正なヘッドスピードが大切になる。
例えば、ブライソン・デシャンボーが『JGR』を打ったら、飛距離ロスは大きくなるだろう。彼のパワーを受け止めるには、やはり『TOUR B X』が適している。一方、ヘッドスピードが37〜43m/sくらいで、特にスライス気味で飛距離をロスしているゴルファーであれば、“飛びマッスル”と呼ばれる『JGR』の真価を十二分に発揮できるだろう。