そろそろ「UT選び=難し過ぎる問題」にケリをつけたい
筒 『TSi2』ドライバーの10度も届きましたし、次は長年の課題に手を付けたいってことね、了解。でも長岡さん、UTを入れないのはなぜ? 4Iも抜いてますよね?
筆者 自宅の倉庫に何本もあるんですよ。でも、コースに行く朝、毎回入れるか悩んだ末、悪い想像が働いて結局抜きます。UTは、ほぼコースでミスするので……。(泣)
5D石塚 もったいない……。軽く打つとか出来ないんですか? 選択肢自体をなくすって相当ですよね?
筆者 いや、ウッド型UTもアイアン型UTも何本もあって、一応練習もしてるんですがコースの大事な所でフックしてOBとか、痛恨のミスが出る。その“怖さ”が払拭できないんですよ。UTって基本左に曲がるし、220ヤードは飛ぶはずのロフトで、吹き上がって170ヤードしか飛ばずに崖下や池とか、距離のガタ落ちとかも酷くて……。(泣)
筒 実はボクもUTが苦手で4Iと7Wです……。というか、UTってヘッド選び自体がまずハードルですよね。ウッド型にも幅広、幅狭の種類がある。アイアン型にもタイトリストみたいに複数機種が出てきますし、飛び系アイアンも各社増えたでしょう? UT領域はヘッド選びだけでも選択肢が多すぎる状態だから、HSが速い人が悩むのは分かりますよ。
UTってアイアンとFWのいいとこ取りだし、ちょうど中間ですよね。どっちつかずで中途半端なだけに、迷って当然。メーカーもヘッドはやさしいモデルを作ってますが、HSが速い人向けの純正シャフトの用意が少なく、猛烈にニッチですから。結局、シャフトの問題じゃないですか?
アイアン用、ウッド用、どちらに寄せるのも違う!?
筒 いいとこ突いて来ますねぇ〜。『N.S. PRO MODUS3 HYBRID』の特許技術は凄いですよ、指のはらでなぞると、黒いカーボンの下にステップのあるスチールが隠れてるのがよく分かります。こんなにカーボンが薄いのに、表面にステップの段差を見せずにどうやって作るの??? って思うほど、コストがかかってます。
筆者 そうそう、米国男子ツアーで常時30人近く使ってますしね!
5D石塚 打ちたい! 色んなヘッドに入れて、どの組み合わせが合うか試しましょう!
―― 3人それぞれ試打 ――
筆者 おかしい、マイクラブと全然違うんですけど…。不思議なのは『N.S. PRO MODUS3 HYBRID』って【S】と【TOUR S】が91グラム、【X】が101グラム、【TOUR X】が112グラムとけっこう重量差があるのに、シャフトの存在がいい意味で消えません? 重量差があるのに、全部うまく打てちゃうのが不思議……。
筒 分かる。ボクのHSでも【TOUR X】の短めが一番良かったし、メーカー表記が元調子なので、この重さだとハードかと思ったら、ラクに打てちゃった。アイアン用スチールの場合、重さは超重要ですが、カーボンとスチールが融合すると、こんなに重さが無関係化されるのかと……。スチールの曲がりづらさと安定性に、カーボンのラクさと高さ、両方の良さがありますよね。
5D石塚 そう、スチールっぽくビシッ!っと上から打ち込んでもいいし、カーボンのようにポーンと運んでもいい。真っ黒で無骨なコスメだからハードなのかな…と想像したけど違いました。アイアン用スチール、ウッド用カーボンの間の子だから、どんな打ち方でもOKですね。しかも、【S】だと超ラク。アイアンで『N.S.PRO 950GH』や『MODUS3 TOUR105』を使う人でもビシッと打てて、左にいかない感じで球が揃いそう。
『N.S. PRO MODUS3 HYBRID』だと、なぜ左に行かず、距離が出る?
そこがいい具合に作用して、左にいかないと。じゃあ、アイアン用スチールでいいじゃん!って思うんですが、つぶれ過ぎると今度はスピン量が増える。考えてみると、ボクのUTは『DG』『DG SL』『N.S.PRO 950GH』『MODUS3 TOUR105』入りなんですが、全部距離がガタ落ちする理由はそこか……と。よくよく考えりゃ、ロングの2打目で無意識に力むから当然ですよね。(泣)
5D石塚 !!! なるほど、さすが日本シャフト…。
その人も野球経験者で、HS46、7m/sあるんですけど、UTが怖くて振れないし、ミスばっかりで全然距離が出なかったそう。ヘッドのせいじゃなく「今までUTが苦手なのは、シャフトのせいだったのか…」と、初めて自覚して感動してました。
5D石塚 なるほど。つまり、出力コントロールが苦手なハードヒッターは、迷わず『N.S. PRO MODUS3 HYBRID』を選べってことですね。今「UTが苦手」という人も、新しいUTをまた買い直すより、このシャフトにリシャフトした方が早いかも。
筒 「UT選びは、このシャフトを基準にすべき!」
このシャフトの【S】、【TOUR S】、【X】、【TOUR X】を用意して、そこからヘッドを選ぶと、一番間違いが少ない。左へのフックの問題と、スピン量の問題をだいたい解決した上でヘッドを選ぶと、多種多様なUTヘッドの性格が、緻密かつ正確に選びやすくなるというか。
5D石塚 だから、最初から言ってるじゃん。「UTが苦手な人は、リシャフトしないせい」って。実はいいヘッドなのに、合わない……、使いたくない……と、長岡さんのような悪循環を繰り返すのはもったいなさ過ぎでしょ。
筆者 ぐッ………。(耳が痛い……)
筒 「短めでも距離が出るからなおイイ!」
基本、高打ち出し・低スピンで距離が出やすいので、39.5でも、40.5インチでも大差が出ない。むしろミート率が上がるしフックしづらい短めの方がはるかにイイ。特に、ピン『G410』や『G425』とか深重心のウッド型だと、めちゃくちゃ武器になりますよね。
5D石塚 分かる。ピンを選んだのにUTが苦手な人がいるとしたら、絶対リシャフトした方がいいですよ。
筆者 ボクは今日、初めて自分に合うUTが分かりました。『N.S. PRO MODUS3 HYBRID』で打つと、マジで自分に合うヘッドが分かりますね。タイトリスト『TS2』が最高。まぁ、ドライバーも『TSi2』を購入したばかりだし、タイトが合うのも当然か……。マスターズもタイトリスト契約プロに注目しますよ!
筒&5D石塚 ………。(また、いろいろ間違えそうな雰囲気だな……)
Text/Mikiro Nagaoka