シューズ選びはクラブ選びの次に重要
すべてのスポーツにはその競技の特性に合ったシューズがあるが、ゴルフにもプレーヤーのパフォーマンスを引き上げ、安定させるゴルフシューズが存在する。ショットの精度や体力の消耗を減らすなど、様々な部分に劇的な影響を与える重要なアイテムの一つで、ゴルフシューズ選びはクラブ選びの次に重要と言われるほどだ。
それくらい自分に最適なゴルフシューズを選ぶことは大切なのだが、ツアープロは何を基準にしてゴルフシューズを選んでいるのだろうか。“スマイル・キャンディ”の愛称で親しまれ、日本女子ツアーで屈指の人気を誇る2015、16年賞金女王のイ・ボミに話を聞いた。
「BOAでないと不可能な安定性と快適さ」
現在は渋野日向子らを筆頭とする“黄金世代”が、女子ゴルフ界を盛り上げているが、今もなお女子ツアー屈指の人気を誇るイ・ボミには、日本のみならず韓国でもスポットライトが当たる。今季は新型コロナウイルスの影響でツアーの中止が続き、韓国に一時帰国したあと、母国ツアーに参戦中だが、カメラマンたちは常にイ・ボミのプレーを追う。目標はもちろん2017年「Cat Ladies」以来の優勝だ。
そんなイ・ボミの今季初戦は、5月の韓国ツアー「KLPGAチャンピオンシップ」。履いているシューズを見ると、BOAフィットシステムが搭載されたものだった。
「これまでBOAタイプのシューズはほとんど履いていなくて、紐のものが主流でした。今年から履き始めたコードカオスでもそうでしたが、BOAフィットシステムのレースの強度であったりホールド感は紐レースでは今まで感じたことがなかったのですが、この新しいPOWERWRAP BOAのような最近のBOAシューズの構造はしっかりとダイヤルを締めても、きつさやあたりがなく私にはピッタリですね」(イ・ボミ、以下同)
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「足元の感覚がとても楽で疲労感がない」
「毎年、女子ツアーで30試合以上もこなすので、時には足を痛めたり、疲労感もたまることも多かったです。そのたびに色々なシューズを試しました。その点、今年から履いているBOAシューズは歩いている時の足元の感覚がとても楽で、安定感もしっかりしているというのが第一印象でした。もっとも大切にしているのは、ショット時の下半身の安定感ですから」
イ・ボミは女子プロの中でも屈指のショットメーカーでもある。パーオン率を見ると2014年は2位、2015年と2016年は1位で、キレキレのショットが彼女の武器でもある。2017年の優勝から勝利には見放されているが、安定したショットを繰り出すには足元が大事だとの認識がある。だからこそ今年から履いているBOAシューズのフィット感には満足している。
「球がつかまるし、スイングも安定する」
今年、イ・ボミはここまで韓国ツアー8試合に出場し、「済州サムダスマスターズ」(7月30〜8月2日)では9位にランクイン。最終日の残り5ホールで、3つのバーディーを奪取し、今季初のトップ10入りを果たしている。この時に履いていたのが、アディダスのBOAシューズだった。
「この試合ではボギーを取ったあとでも、焦ることなくすごく落ち着いていました。それくらいにショットの感覚がとてもよかったんです。たとえば紐の緩みなどが気なることもなくプレーできたこともスコアにつながっていると思います」
ゴルフはコースと天候との戦いで、集中力が切れれば、ひとたびミスショットにもつながる。BOAのフィット感によって、足もとのことを考えずに済むのは、プレーにおいてはかなりのメリットであるのは間違いない。