「『SIM ドライバー』は世界に一つのものになるかもしれない!」 by ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典
<試打スペック>
ヘ ッ ド/9-1-1ti チタンボディ+グラファイト・コンポジットクラウン&ソール
ヘッド体積/460
フェース /6-4ti チタン
シャフト /TENSEI SILVER TM60(S)
ロ フ ト/10.5度
長 さ/45.75インチ
ラ イ 角/56度
何度も書いているのですけど、テーラーメイドのクラブは「危ないクスリ」なのです。とてつもない快楽を与えてくれることもありますが、強い依存性があって、やめられなくなるリスクもあります。新しく出た『SIM ドライバー』も、まさにそういう分野の危険な1本です。
『SIM ドライバー』は、トップレベルに飛びます。40m/秒のヘッドスピードの僕が打っても、平均で230ヤードを打てました。多くのゴルファーが『SIM ドライバー』で、飛距離という魔力に取り憑かれることを安易に想像できます。
ただし、注意が必要です。かなり明確に、ハードヒッター用にチューニングされています。また、ミスヒットに強くは出来ていますが、左にボールが捕まらないようにもチューニングされているので、スライスに悩んでいる人や、強いドローボールが信条という人には悩ましいドライバーになる可能性が高いです。
『SIM ドライバー』は、打っていて楽しくなるドライバーでした。軽いフェードしか出ないのです。快感でした。同じボールを安定して打ちたいゴルファーに『SIM ドライバー』はオススメします。
また、ブンブン振りたいけど、つかまえすぎて左行くのが怖いというゴルファーにも『SIM ドライバー』を強くオススメします。ツアー用にチューニングされているという意味では、『SIM ドライバー』はスペシャルです。他に代わりがないと感じるゴルファーは多くないと思いますが、確実に存在します。
『SIM ドライバー』は、まさにクスリそのものです。自分に合った処方で、適量を適時に飲めば、たちどころに、問題を解決してくれるはずです。しかし、多くのクスリは毒なのです。少量であれば薬になっても、大量に飲めば死んでしまうこともあります。
『SIM ドライバー』は、合っているゴルファーだけを助ける劇薬なのです。
コメンテータープロフィール
ロマン派ゴルフ作家・ゴルフギアライター。ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、現在はゴルフエッセイストとして活躍中。