高機能がスコアメイクに貢献する時代へ
飛び系アイアンは、ストロングロフトと薄肉フェースや低重心設計によって、大きな飛距離を得られることで人気を得ていた。それはゴルファーが求める性能だったが、一方でアイアンは飛べばいいだけのクラブではなく、言うまでもなくピンを狙うためのクラブだ。そのためには、飛距離だけでなく、高さややさしさも重要、そして結果のばらつきも少ないほうがいい。
『T200』、『T300』は薄肉フェースをシリコンポリマーを融合させたバックフェースデザインでサポートする「マックスインパクトテクノロジー」を搭載。構えたときはスッキリとシャープな形状ながら、ミスへの寛容性が非常に大きくなっている。『Tシリーズ』に代表されるように、今後は、飛距離はもちろんだが、よりスコアメイクにとって有効なアイアンかどうかも問われてくるだろう。
驚いたのは、このモデルを男子プロの浅地洋佑が使用していることだ。プロとしては飛距離にややウィークポイントがある浅地だが、2打目からはこの飛距離の出るアイアンを駆使して、それを克服し、今季は2勝を挙げた(※11月現在)。
この考え方は、まさにアマチュアに応用できる発想だろう。ドライバーの飛距離がそれほどでなくても、飛距離に優れたアイアンにすれば、飛ぶ選手と同じ番手でグリーンを狙える。その時にミスへの寛容性があり、高さがしっかりでてくれると、スコアメイクにも貢献してくれそうだ。
2019年は潮目が変わったと言えるほど、意欲的な構造を持つアイアンが多く登場した。来年以降はこうした、飛んで、曲がらなくて、高弾道でミスにも強い高機能アイアンが主流になっていくだろう。