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【開発者インタビュー】UTがUFOになった!? キャスコ『UFO by POWER TORNADO』

例えば長めのショートホール。5番アイアンとUTだったら、多くの人がUTを選ぶはずだ。だってそのほうがやさしいから。では、6番、7番、8番アイアンだってUTのほうがやさしいのでは……? そんな疑問に答えた新製品『UFO by POWER TORNADO』の開発者・藤原雅彦氏に開発の背景を聞いてみた!

配信日時:2019年10月4日 12時00分

10代目パワートルネードは、クラウン後方に張り出した「ユニバーサルウィング」が特徴(画像:キャスコHPより)
10代目パワートルネードは、クラウン後方に張り出した「ユニバーサルウィング」が特徴(画像:キャスコHPより)

なぜ「パワートルネード10」じゃない?

――「パワートルネード」というブランドは、継続的に新モデルが出ている中では国内有数の長い歴史がありますね。匹敵するのはゼクシオやマジェスティなど、数えるほどしかない。そんな老舗ブランドの10代目の名前が「パワートルネード10」じゃなくて「UFO by POWER TORNADO」なのは何故ですか?

藤原 「UFO」はこの新製品の特徴である「ユニバーサルウィング」「ファルコンシャフト」「オペレートソール」のそれぞれの頭文字なんですが、何故「UFO」が先にあるのかというと、今までとは違う、全く新しいコンセプトのパワートルネードだからです。1999年に初代パワートルネードができて、それから20年が経ちました。前作までのパワートルネードは、ヒットした初代・2代目で受け入れられた性能を発展させてきたのですが、ロングアイアンがやさしくなったり飛び系アイアンの出現などで、以前とはクラブの役割が変わってきています。今までのコンセプトにこだわり過ぎてしまうと、これ以上の発展が望めない。だからこそ、節目のこのタイミングで既存の概念を打ち破ろう、という意気込みの現れでもあるんです。
開発企画部の藤原雅彦氏。UFO開発のキーマンだ

開発企画部の藤原雅彦氏。UFO開発のキーマンだ

――特徴的なヘッドを想起させる、ぴったりなネーミングですね。すんなり決まったんですか?

藤原 いろんなネーミング案が出ましたが、「UFOがいいんじゃない?」というアイデアが出てからは決まるまで早かったですね。製品の特徴としては球が上がりやすい、グリーンを上から攻められるというのもあるのですが、UFOも上から来るでしょう?


――では何故この形状なのか、開発の経緯から教えてください。

藤原 10代目の開発にあたり、インターネットで約800名のゴルファーに対して「キャディバッグにユーティリティを入れていますか?」というアンケートを行ったんです。結果は77%、約8割の人が入れていたんですが、実はうまく使いこなせていないとか、ユーティリティってちょっと特別な打ち方をしないといけないんじゃないかとか、何か打ちにくいとかっていうお悩みの声が結構あって。じゃあその声にどう応えようか、というのがスタートですね。
ソール側から見るとオーソドックスな形状
ヘッド後方に張り出したウィングがミソ。重心設計の自由度が大幅に向上した
シャフトは先端が太く、ねじれにくくなっている
丸みを帯びたソールでインパクト時の接地面積を減らし、様々なライに対応した
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ソール側から見るとオーソドックスな形状
――具体的にはどんな悩みが多かったんですか?

藤原 「球が捕まりにくい」とか「ちょっと打ち込まないと球が上がってくれない」ですね。

――そもそもユーティリティというのは「お助けクラブ」ですよね? そう感じる人が多いのは、何か理由があるんでしょうか?

藤原 ユーティリティはヘッドの大きさの制約がある分、フェアウェイウッドに比べて重心位置が浅いという特性があります。重心が浅いと球のつかまりや上がりやすさを向上させるのが難しい。いろんな形状のプロトタイプを作って試行錯誤する中で、「だったら、ヘッドの外に重りを付ければ、重心を深くすることができるんじゃないか」というアイデアがありまして。そこで今までのパワートルネードのヘッドの後方にウィングを付けてみたら、理想的な重心位置になり、球のつかまりと上がりやすさを改善できたんです。こうしてUFOの大きな特徴である「ユニバーサルウィング」が生まれたんです。

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