試験的に使用した『TOUR B X』で好結果!
フィットしていた「TOUR B XS」からまさかのチェンジで優勝した(写真:GettyImages)
今回の優勝で特筆されるのが、愛用するボールがいつもの『TOUR B XS』ではなく、やや硬めの『TOUR B X』を使用したことだ。長年、ブリヂストンの契約プロであるクーチャーだが、これまでのボールは全て、プロモデルの中でも軟らかいボールを使い続けている。
『TOUR B XS』は、非常にソフトな打感と強いスピン性能が特徴だ。飛距離面もさることながら、ボールがフェースに乗る感覚、食いつく感覚が得られ、グリーン周りでのアプローチショットを優位にプレーできる。
左が今回クーチャーが使った「TOUR B X」、右がタイガーが愛用する「TOUR B XS」
その機能を最大限に利用しているのが、誰あろう、タイガー・ウッズだ。豪打が注目されがちなタイガーだが、繊細で多彩なアプローチがそのプレースタイルの生命線になっている。ナイキがボール・クラブ事業から撤退したあと、ギア選びの必要に迫られたタイガーが、真っ先に選んだのがブリヂストンのボールだったのは有名な話。ボールをモデルチェンジする際も、メーカーサイドに性能を大きく変えないで欲しいと要望したほど、その性能を信頼している。
優勝した「マヤコバ・ゴルフクラシック」でも熟練の小技で後続を振り切った(写真は大会初日:GettyImages)
クーチャーもまた、ボールコントロールを駆使して戦う選手だ。タイガーのように飛距離が出るわけではないので、なおさら、ショートゲームの成否が成績のカギを握る。メーカーへの要望も、とにかくグリーン周りでのスピン性能の高さを求めていて、良いライからはもちろん、ラフからでもいかにボールを操れるかを重視するという。『TOUR B XS』はそんなクーチャーにピッタリのボールであるように思える。
今回の『TOUR B X』の使用は、コースコンディションを考慮した試験的なものであり、今後も継続して使用するかは未定だという。『TOUR B X』は、『XS』に負けないアプローチスピンの性能がありながら、打感はしっかり感があり、ロングショットで低スピンになりやすい。より飛距離を出しやすいボールなので、国内の契約選手は男女とも『X』を使うケースが多い。
会場の「エル・カマレオンGC」はカリブ海とジャングルに囲まれており、ショットが曲がるとマングローブ林につかまってしまう(写真:GettyImages)
試合が行われたエル・カマレオンGCは、距離が短いが風が強く、地面もグリーンも硬い。クーチャーは、より飛距離が出て、風に負けない低スピン弾道になりやすい『TOUR B X』の特性を活かしたものだと言えそうだ。