話題の『Qi4D』をギアに精通する3人の凄腕フィッターが試打テスト
テーラーメイドの2026年の新製品『Qi4D』ドライバーは、新設計の「カーボンフェース」と「フィッティング性」の高さで、スピードアップを徹底追求。ゴルファーそれぞれが持つスイングの個性にマッチした4つのヘッドと純正シャフトを組み合わせることで、ヘッドスピード&ボール初速を極限まで高めて、異次元の飛距離を実現する。
今回は、「4plus Fitting Labo」で日々アマチュアゴルファーの悩みに向き合う凄腕フィッター3人に、『Qi4D』シリーズでラインナップされた4タイプのドライバーをテストしてもらった。ギアとスイングの両面に精通するフィッターたちは、進化を遂げた5代目となる「カーボンウッド」をどのように評価するのか。
『Qi4D』ドライバーはバランスの良い弾道で多彩な調整が可能
まずテストをしたのはスタンダードモデルの位置付けになる『Qi4D』ドライバーだ。吉川はヘッドシェイプに変化があると話す。
「前作と比べて、構えたときの顔が変わりました。ヒール側が少しシェイプされた洋梨型の顔で、叩くイメージが湧きます。フェースのタテの厚みも出たので、インパクトでボールを押し込む感覚も強くなりました。適度なつかまりと操作性の高さが備わっていますし、安定したスピン量で弾道のバランスも絶妙です」(吉川)
吉川に続き、長谷川と畔上も『Qi4D』ドライバーをテスト。
「ちょっと逃げ顔というか、シャープで叩きやすい印象です。ヘッド後方が低くなっているので、ボールを拾うイメージがあり、ドローヒッターが思い切り叩いて飛ばせそう。あとは「カーボンフェース」の打感がさらにソフトになっていますね」(長谷川)
「インパクトでバン!と飛び出すのではなく、包み込むようなフィーリングです。芯を外してもソフトな打感で、やさしさが感じられます。ウェイトが4か所に搭載されていて、細かな調整が可能なこともメリットです」(畔上)
圧倒的な寛容性でハイドローが打てる『Qi4D MAX』ドライバー
2本目にテストしたのは高MOIモデルの『Qi4D MAX』ドライバー。テスター3人の中で、好感触を得たのはHS44m/sの畔上だった。
「スタンダードモデルに比べて、やさしくつかまって、高さも出ます。過去のモデルよりもアッパーブローに振りやすくなったので、オートマ感がある中でも、コントロールしながら気持ち良く振っていけます。ミスヒットに対する寛容性も高く、タテ距離と方向のブレが小さく抑えられます」(畔上)
吉川と長谷川は、『Qi4D MAX』ドライバーの顔や振り心地の変化を感じ取っていた。
「スタンダードモデルに比べて、投影面積は大きいですが、少し洋梨に近いシェイプになっています。従来モデルよりもスッキリして見えますね。お尻の重さでしっかりインパクトロフトが増えますので、ドライバーで上体が突っ込んで上から入る人に最適なヘッドです」(吉川)
「正直、高MOIモデルは苦手でしたが、『Qi4D MAX』ドライバーは、インパクトロフトが適正に収まって、スピンが過度に増え過ぎない印象です。適度にフェースローテーションを入れられるので、コントロール性も備わっています」(長谷川)
ヘッドの加速と低スピンでとことん叩ける『Qi4D LS』ドライバー
3本目はロースピンモデルの『Qi4D LS』ドライバー。元・甲子園球児の飛ばし屋、長谷川は、弾道の強さと寛容性を評価する。
「やや低めの打ち出しで、弾道がとにかく強いです。全く吹け上がらないので、叩けば叩くほど飛ばせます。それでいて、フェースの芯が広く、ミスヒットでも初速が落ちにくいですし、スピンも安定してくれます。適度なつかまりがあるなど、強弾道を追求しながらも、やさしさを備えたLSモデルです」(長谷川)
吉川と畔上も『Qi4D LS』ドライバーにさらなる安定性が加わったと話す。
「ヘッドが低い位置を動いてくれて、安定して強い球が打てます。また、従来よりもフェース開閉の量が減っていて、弾道安定性が高まったように感じます。あとは下めの打点でも初速がしっかり出ていました。ミスヒットに対する寛容性も高くなっています」(吉川)
「小ぶりに見えて、振り抜きやすい印象です。程良いつかまりのドローが打ちやすいヘッドですね。パワーやレベルに関係なく、スイングタイプに合わせて選べるLSモデルです。インパクトであおるタイプの人が飛距離を伸ばせます」(畔上)
『Qi4D MAX LITE』ドライバーはスピードアップしながら軽快に振り抜ける
最後は軽量仕様の『Qi4D MAX LITE』ドライバーをテスト。吉川はクラブ全体のバランスの良さを絶賛する。
「クラブ全体のバランスが抜群に良くて、スピードアップしながら軽快に振り抜けます。軽量モデルでも全く暴れることがありません。慣性モーメントの高さでヘッドが真っすぐ動き、ボールを押し込むように打てることもポイントです。高弾道ストレートで飛ばせるドライバーです」(吉川)
長谷川と畔上にはヘッドスピードを40m/s前後に落として試打をしてもらった。
「無理にボールを上げようとしなくても、自然にロフトが付いて、打ち出しが高くなります。スピードを落としても打感がソフトに感じられますし、何より打ちやすいですね。キャリー不足に悩むゴルファーにぜひ試していただきたいです」(長谷川)
「しっかり高さを出しつつ、初速も出るので、想像以上の飛距離が出てくれます。軽快にポーンとボールが上に飛んでくれて、非常に楽です。ミスヒットでも方向性がブレないですし、調整機能があることも嬉しいポイントです」(畔上)
テスター全員が飛距離アップに成功! 『Qi4D』シリーズは3つの『REAX』シャフトで飛びのポテンシャルを全開放!
『Qi4D』シリーズでは、専用の純正シャフトが豊富にラインナップされたことも大きな魅力だ。スイング時のフェース開閉の量に合わせて、最適なモデルを選ぶことで、振りやすさが向上し、高効率の飛びを追求することができる。
では、純正シャフトをスイングにフィットする最適なモデルに変更することで、振り心地や弾道にどんな変化が起きるのか。凄腕フィッター3人にお気に入りのヘッドで検証してもらった。
まずは吉川が『Qi4D』ドライバーを使って、テストを実施。標準装備されている『REAX Mid Rotation Blue(MR50・MR60)』シャフトと吉川のフェース開閉多めのスイングにマッチする『REAX High Rotation Red(HR50)』シャフトで打ち比べを行った。
「『REAX High Rotation Red』シャフトは、いい意味でネジレてくれて、自分のイメージ通りにヘッドが動いてくれます。速く振れる感じで爽快ですし、何よりバランスの良い弾道で飛距離が伸びたのは嬉しいですね。改めて、シャフトの役割は大きいと感じました」(吉川)
長谷川は、『Qi4D LS』ドライバーをフェース開閉の少なめのタイプに合う『REAX Low Rotation White』から中間タイプの『REAX Mid Rotation Blue』シャフトに替え、畔上は『Qi4D MAX』ドライバーを『REAX High Rotation Red』シャフトからフェース開閉の少ないタイプに合う『REAX Low Rotation White』シャフトを装着して、試打比較を行った。
テスター3人はいずれも5〜9ヤードほどの飛距離アップに成功。スイングタイプにマッチした純正シャフトを選ぶことで、振り心地も大幅に向上したようだ。
「ボクらがフィッティングをするときも、『GEARS』や『GC QUAD』といった機器を使って、スイング中の『クロージャーレート』、つまりフェース開閉をしっかりチェックしています。その人に合った最適なシャフトを見つける上で大事な指標と考えるからです。そのため、『Qi4D』シリーズでフェース開閉の量に合わせて純正シャフトを選べることはフィッター目線ですごくありがたいことです。純正シャフトであればヘッドとのマッチングも良いですし、最適なクラブを選ぶのが早く簡単になります。『Qi4D』ドライバーで追求している『フィッティング性』の高さは、ゴルファーにとって間違いなくメリットがありますし、魅力的な性能です」(吉川)
『Qi4D』シリーズはFW&レスキューも番手を豊富にラインナップ
『Qi4D』シリーズはドライバーだけでなく、FW(フェアウェイウッド)やレスキューもスイングや好みに合わせて、最適なモデルを選ぶことができる。吉川にFW4モデル、レスキュー2モデルを試打してもらい、それぞれの特徴を聞いてみた。
まずは『Qi4D』シリーズのFW4モデルのインプレッションだ。
『Qi4D』FW
「『Qi4D』のドライバーはヘッドシェイプにシャープさを出し、強弾道の飛びが得やすいモデルでしたが、『Qi4D』FWはやや大きめのヘッドで、打ちやすさを重視した形状になっています。重心が深めでボールを拾いやすく、つかまりの良さもあります。性能バランスを整えながら、やさしさを向上させています」(吉川)
『Qi4D MAX』FW
「スタンダードモデルに比べて、明らかに投影面積が大きく、シャローなヘッドになっています。重心もより深くなっていて、つかまりが良いですし、ボールの高さもしっかり出ます。FWに苦手意識を持つゴルファーは、ボールの上がりにくさに悩んでスイングを崩すことが多いです。楽に高さが出て、ボールも拾いやすい『Qi4D MAX』FWは最良の選択肢のひとつになります」(吉川)
『Qi4D TOUR』FW
「他のモデルに比べて、小ぶりで重心も浅く設計されたヘッドです。ダウンブローに上から打ち込んでFWを打つタイプの人にとって非常に扱いやすいヘッドですし、スピン少なめの強弾道で飛ばせます。従来のLSモデルのFWよりも打ち出し角が得やすい印象ですが、それでも上がりにくい場合はロフトの寝た5Wを入れるのもアリですね」(吉川)
『Qi4D MAX LITE』FW
「ドライバーと同じく、軽量仕様のクラブで楽に振り抜けます。それでいてクラブ全体のバランスが良いので、安定してフェースがスクエアに戻ってきます。スピードアップでボール初速と打ち出し角を上げて、キャリーで飛ばせるFWです。重量フローを考えても、『Qi4D MAX LITE』ドライバーを選んだ場合は、FWも同じモデルを選ぶことで振り心地が揃って、スコアアップにつながります」(吉川)
続いて、2モデルがラインナップされた『Qi4D』レスキューのインプレッションだ。
『Qi4D』レスキュー
「顔がストレートで、ターゲットに構えやすくなっています。リーディングエッジが適度に出ていて、ボールを拾いやすいこともポイントです。しっかり高さを出しながら、ターゲットに対してライン出しができるので、ロングショットの大きな武器になるクラブです。適度にアイアン感覚に操作できることもポイントです」(吉川)
『Qi4D MAX LITE』レスキュー
「スタンダードよりもさらにリーディングエッジが前に出ていて、ボールを拾いやすいです。その上でミスヒットに対する寛容性があり、下めでもボールが高く上がってくれます。ドライバーやFWと同じく、ヘッド・シャフト・グリップを軽量化しながら、全体のバランスを整えているので、軽快かつ楽に振り抜けます」(吉川)
「『Qi4D』シリーズのフェアウェイウッドとレスキューをテストしてみて、どれもやさしく高い球が打ちやすいクラブに進化していました。ドライバーと同じタイプのFWを選ぶのもアリですし、3番にやさしい『Qi4D MAX』FW、5番に適度な操作性と強弾道の『Qi4D』FWを入れるといったコンビネーションもおすすめです。レスキューもアイアンとウッドの間を埋める上で、最適な性能を持っていました。ドライバーのモデル選択を含めて、最適なウッドセッティングを作れることは『Qi4D』シリーズの大きなメリットです」(吉川)
高性能なのはウッドだけじゃない!? 『Qi』シリーズはアイアンも飛んで気持ちイイ!
『Qi4D』シリーズではドライバーなどのウッド類だけでなく、『Qi』シリーズとして新モデルのアイアン2機種もラインナップ。ヘッド構造の工夫によって飛びとフィーリングにとことんこだわっている。
モデルごとの解説に入る前に、『Qi』シリーズのアイアン2機種に共通するテクノロジーについて紹介しよう。
まずは「番手別最適設計」。『Qi』シリーズのアイアンでは、番手ごとにボディやヘッドの構造を最適化。ロングアイアンは反発力を高めて高弾道の飛び、ミドルアイアンはスイートエリアの拡大でショットの再現性アップ、ショートアイアンは適正スピンでコントロール性を高めることで、番手ごとに理想的な弾道が出る設計が採用されている。
そして、注目すべきは打感や打音といったフィーリングを整えるテクノロジーの数々だ。フェースを裏側から支えて余分な振動を減らす「エコーダンピングシステム」や「サウンド スタビライゼーション バー」を搭載。周波数、音の大きさや時間を細かく調整して、ゴルファーが心地良いと感じるフィーリングに強くこだわって設計されているのだ。
『Qi』シリーズのアイアン2機種も、凄腕フィッター3人に試打してもらった。1本目は『Qi MAX』アイアンだ。
「程良いオフセットでボールを包み込むイメージの湧く顔です。やさしくボールを拾えて、グリーンへの落下角も出て、止まる球が打てます。スイングの入射角を選ばずに使える万能性があり、手に伝わってくる打感もソフトです」(吉川)
「スピン量がすごく安定してくれて、飛び過ぎたり、飛ばなかったりというタテ距離のブレが出ません。ソリッド感がありつつ、衝撃の少ない打感も心地良いです」(長谷川)
「浅い入射角ですくい打ちに近いスイングでも、しっかりボールが上がってくれます。打感も想像以上にソフトで驚きました。性能バランスの整ったアイアンです」(畔上)
2本目にテストしたのは、よりやさしく高弾道ボールが打てる『Qi MAX LITE』アイアンだ。
「やや大きめで、ロフトが寝ている分、フェースが大きく見えて安心感のあるヘッドです。軽量でスピードが出る分、弾道がとにかく高く、スピンも安定して入ってくれます。ミスヒットに強くて、タテ距離のブレが非常に小さく、それでいて適度な操作性も備わっているモデルです」(吉川)
「クラブ全体のバランスが良くて振りやすく、ヘッドスピードを落としても楽に高さが出ます。高弾道に特化したモデルで、グリーンを攻めるショットがやさしく打てます」(長谷川)
「『Qi MAX』アイアンよりも、さらにボールがつかまって、高さも一段上に行きます。アイアンでつかまらないアマチュアの方は多いので、やさしく距離を出せるはずです」(畔上)
ちなみに『Qi MAX LITE』アイアンは、6番の代わりにロフト角30度の『Qi4D MAX LITE』レスキューを組み合わせた「コンボセット」も用意されている。より高弾道でグリーンを狙う性能を求めるなら、試してみたい組み合わせだ。
テーラーメイドが新たにリリースした『Qi4D』シリーズのドライバー、FW、レスキュー、そして『Qi』シリーズのアイアンは、ゴルファーが最適・最善の結果が出せるように、細部にこだわって設計されている。ヘッドの性能なだけでなく、「フィッティング性」の高さという新たなコンセプトで、よりゴルファーにフィットするクラブが作りやすくなった。もっと楽しくボールを打ち、スコアアップという結果を目指すなら、試さない手はなさそうだ。
取材協力/4plus Fitting Labo /Golf Salon 市ヶ谷本店 撮影/高橋淳司 構成/田辺直喜