マキロイ、DJ、成田、小祝。『スパイダーX』流行の理由は「ミスに強いのに小ぶりで丸みある形に変わったから」
2008年に初めてスパイダーパターが生まれてから11年間、そのコンセプトである“ミスヒットに対する強さ”と“安定したコロがり”は、今日まで脈々と受け継がれてきました。その効果はアマチュアゴルファーだけでなく、多くのプロにも認められてきましたが、中にはローリー・マキロイのように、そのゴツゴツとした箱型の形状に対して違和感を覚える選手がいたのも事実です。
そこで、今回の『スパイダーX』は、慣性モーメントとコロがりのよさはそのままに、コンパクトで丸みを帯びた形状に進化しました。そのサイズ感は初代スパイダーと比べると一目瞭然。これによってローリー・マキロイやダスティン・ジョンソンをはじめとする、PGAツアーのトッププロたちが『スパイダーX』を使うようになりました。
我々の研究では、ローリー・マキロイやジェイソン・デイといったトップ選手でも、パターの芯を3ミリから4ミリ外して打っているというデータがあります。ですので、コンパクトながらも大きな慣性モーメントをキープできたことは非常に大きなメリットになります。
『スパイダーX』を使うPGAツアープロの9割がスラントネック派!
そう、『スパイダーX』はネック形状に、ベンドネックとスラントネックの2タイプを採用しています。ベンドネックはフェースバランスで、真っすぐヘッドを動かすストローク。スラントネックはトゥ・ヒールバランスで、フェースを開閉するストロークに適しています。
スラントネックは、ミスヒットに対する強さはそのままに、ブレード型と同じ感覚で打てるので、長年ブレード型のパターでフェースを開閉しながら打っていたプロも違和感なく使えます。その結果、『スパイダーX』を使うPGAツアープロの約9割がスモールスラントネックを選択しています。
逆に、比較的若い世代が活躍している日本の女子ツアーでは、スモールスラントとシングルベンドがほぼ半々になっているので、アマチュアゴルファーのみなさんも、自分がスムーズにストロークできる方を選んでください。
彼女は完璧なコメントをするね(笑)「トゥルーパス」と呼ばれる白いアライメント部分のデザインは、人間工学による研究で直線部分の幅がゴルフボールの直径の1/2に設定されています。これは目標に対してスクエアにセットアップでき、なおかつアドレス時の集中力と安心感をバランスよく引き出す効果があります。
フェースインサートの「ピュアロール」は、フェースの溝をボールに対して垂直ではなく、斜め下45度の向きに設定しています。これまでよりも毎分25〜30回転ボールにオーバースピンがかかり、芝目の影響を受けにくい順回転のコロがりを生み出します。また、フェースインサートの厚みをこれまでの3ミリから5ミリにすることで、プロが好むソリッドで繊細な打感を実現しています。
――なるほど。ビルさん、『スパイダーX』がツアーで大流行する理由がよく分かりました。でも、気になっているのは、もう一つの『TPコレクション』の新作っぽいパターなんですけど。見たことがないですし、これも結構女子プロたちが気にしてますよね?