キャロ、テーラーが爆発。でも、ミズノも前作の10倍…
PCM筒康博(以下、筒) 「そりゃね。2019年モデルの目玉ですから当然でしょ」
PCM編集長(以下、P編) 「あれ? 少し前にミズノが絶好調って言ってなかった?」
筆者 「はい。ミズノは22日発売なので、まだ売上ランクには入ってませんが、予約受注の出だしは前作の10倍だそう。そこで今日のお題なわけです。国産か外ブラか?日式か米式か?和か洋か?どちらのドライバーを選ぶべきなのか?という……」
P編 「確かに最近は洋モノが絶好調だよね。まぁ、どちらがいいか?の二軸じゃなく、合うもの、結果の出る合うものならどっちでもいいんじゃない?」
筆者 「それ言っちゃ、話が終わるので、議論に付き合ってください!」
筒 「う〜ん、女性で言うなら、ボクは外国人よりも日本人の方が好きだけど、ドライバーは国籍とかどこ製とか、こだわりは無いですけど……」
P編 「シャローバック形状が大きな違い」
端的に言えば、ヘッドのお尻が下がった【シャローバックか?ハイバックか?】というのは、洋モノと和モノの特徴として挙げられると思う。テーラーメイドがいち早くこういう形状になった印象だけど、アメリカの大手メーカーの方が、最大サイズの460ccになるのが日本のメーカーより早かったからだと思う。安心感も増すために投影面積を増したい。でも、大型化してハイバックのままだと、重心位置が上がってしまうよね? 大型化しても重心を下げる工夫として、こうなったと見ていいと思う」
筒 「そうですね。テーラーは2003年の『XR-05』で460ccになったし、2004年の時点でPING『G2』は460ccでした。キャロウェイも2004年の『ビッグバーサ+チタン』で460ccになりました。前年の『ERCフュージョン』が360ccだったのにいきなりです。たしか、タイトリストが一番遅くて2006年の『905R』からでしたっけ。ダンロップも2006年が初めての『ゼクシオ460』でした。アスリートモデルで言えば2007年の『スリクソンZR-700』からと、少し遅かったと思います」
P編 「海外は高反発を選べなかったし、ナイキの存在も大きい」
P編 「USGAは1998年の時点でCORを0.83に規制していたんだよ。でも、日本やヨーロッパはR&Aの管轄で、それに従う必要がなかった。その差は大きいと思う。結局日本ではSLEルールが発表された2006年から施行された2008年まで、高反発を作って売れる状況にあったわけだし、日本のゴルファーも飛ぶクラブが欲しいからニーズが合致してた。
海外メーカーは、元々高反発の選択肢もなかったし、合理的でやさしくミスに強い方向に舵を切らざるを得ないし、何よりナイキの存在も大きいと思う。2007年だっけ?『サスクワッチ』が出たのって。【大慣性モーメント=ミスに強い】というコンセプトで各社大型化だけじゃなく、四角とか三角とか一時期、異型になったよね。
日本のメーカーはその波には乗らなかったけど、海外メーカーは反発が規制された中で、やさしさの試行錯誤を繰り返した。今じゃどのメーカーにもソールに溝が付いたりしているけど、あれもやり始めはナイキの『VR』の“コンプレッションチャンネル”からだし。海外はメーカーもユーザーも合理的な考え方というのが大きいんじゃないかな」
筒 「日本はコンサバで、上級者の声が強かった」
P編 「そう。上級者って、実は全体から考えればごく一部のニーズでしかないのに、なぜか日本のゴルフ業界では幅を利かせてしまう状況はあったよね。でも、憧れの対象でもあったから、それはそれでプロモデルを所有する喜びとか、小ぶりで難しいものを打ちこなすための努力とか、美学とか、マインド的に日本人の琴線に触れる部分だから、否定のしようがないけどね」
筆者 「そうだよなぁ。だからこそ、アスリートモデルと、アベレージモデルって明確に2つのブランドがありましたもんね。特に、ボク自身もその昔は遠藤製作所製神話に長らくやられてましたし…。確か、ナイキもプロモデルは遠藤製をアピールしてましたよね?」
筒 「遠藤神話が効いたのは超絶マニアックな人だけでしょ。一般ゴルファーはそんなこと知らないって。それに海外メーカーは、プロもユーザーも合理的だからこそ、日本と違ってアスリート向けとアベレージ向けのブランドを分けなかったでしょ? 1つのブランドの中で、小さいものも用意はするけど、プロも大型のものを取り入れるのが当たり前で。タイトリスト『910』シリーズなんかも『D2』ユーザーが多かったですし…」