<山陰ご縁むす美レディース 最終日◇29日◇大山平原ゴルフクラブ(鳥取県)◇6528ヤード・パー72>
プロのツアーに参戦を始めたのは2013年。辻梨恵がついにプロ初優勝を勝ち取った。2日目が悪天候のため中止となり、首位と5打差の逆転への道は36ホールから18ホールへと短縮された。14位から上を追った最終日。「気持ちだけは強気に」と誓ってスタートを迎えた。
出だしの1番をバーディとすると、前半だけで4つ伸ばして上位戦線に浮上。11番もバーディとして迎えた上がり3ホール。ここでさらに力を込めた。「よし、上がりで3つ取って」と気合を入れなおすと16番で5メートルを沈め、17番こそ逃したが18番パー5では3打目を2メートルにつけてバーディフィニッシュ。クラブハウスリーダーで後続を待った。
首位スタートの小楠梨紗も出入りがありながら首位を並走。ところが終盤の2ボギーが響き、終わってみれば最後に追い上げた平井亜実と小楠に2打差をつける圧巻の逆転劇だった。
昨年は「ゴルフの調子と、感覚が遠のいてしまって…」と毛㏍が友わない苦しみを味わった。「現実とのギャップがかけ離れた時は本当に苦しかった」としみじみ語る。オフには“自分を見つめなおすことが必要”とのアドバイスを受け、ヨガをすすめられた。「おかげさまで全身がほぐれたような気がして、心と体にいい変化が出てきた」というのが浮上のキッカケとなったという。
賞金ランキング46位で初シードを獲得した16年に続いて翌年は31位とさらにランクアップを果たした。翌年にはシードを手放すと、その後は厳しい時間が続いたが一度もあきらめることはなかった。「苦しいことが多かったと思います。それでもゴルフが好き。やめるという選択肢はまったくなかった。前に進みながら」というこの期間を振り返る。
待ちに待った優勝の瞬間。「ルーキーの頃から応援してくださったファンの皆さん、サポートしていただいたスポンサーの皆さん、それから私を支えてくれたチームと家族に感謝の気持ちを伝えることができた」と笑みがこぼれた。「人前では涙をみせたくないと思っていたけどダメでしたね」と、最後は言葉を詰まらせ、涙を流した。苦節14年。32歳での初優勝は決して遅くない。辻のゴルフ人生、新章の始まりだ。
