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2日連続のパープレーで12位に浮上 10年前に突然のスランプに陥った山村彩恵に“サクラサク”の予感

山村彩恵が上位に浮上した。

所属 ライター
臼杵孝志 / Takashi Usuki

配信日時:2024年4月6日 09時00分

<YANMAR HANASAKA Ladies Golf Tournament 2日目◇5日◇琵琶湖カントリー倶楽部 栗東・三上コース(滋賀県)◇6482ヤード・パー72>

1999年に「日本女子プロゴルフ選手権」、2014年には「日本女子オープン」が開催された関西の名門コースでプロ13年目の山村彩恵が復活の足がかりをつかんだ。アンダーパーがわずか9人だった第2ラウンドで価値ある2日連続のイーブンパー。初日の22位タイから12位タイに順位を上げての予選通過に自然と表情は緩んだ。

新婚・藤田光里はこの笑顔【写真】

「パッティングが良かったので、とりあえずグリーンに乗せれば大丈夫だと思い、気持ちは楽だった。最後(9番パー4)のボギーはもったいなかったけど、良かったと思います」

バーディは3つ。出色はダブルボギーを打った直後の4番だ。420ヤードと長いパー4は、この日の最難関ホールだった。平均ストロークは『4.7119』。118人がプレーし、ボギー以上が73人。アゲンストの風の中、残り210ヤードを3番ウッドで打った2打目をピンそば1.5メートルに乗せた会心の一打に胸を張った姿に、以前の暗さはもうない。

2014年5月の「リゾートトラストレディス」で突然、長いトンネルに入った。7番アイアンで予想もしなかったプッシュアウト。大きく右に飛び出した球を呆然と見送った。「あんな球が出たのは初めて。理由が分からなかった」。追い打ちをかけるように同じ7番アイアンで今度は大きく引っかけ。頭の中は混乱した。試合はトータル21オーバー、最下位の107位で予選落ち。そこから極度のスランプに陥った。

「何度もゴルフをやめようと思った。でも、このままで終わりたくなかった。その一心で続けてきました」

ジュニア時代からのコーチだった江連忠氏のもとを離れ、19年からは上田桃子らを指導する辻村明志氏に師事し、21年には因縁のリゾートトラストレディスで8年ぶりにレギュラーツアーで予選を通過した。だが、上昇気流には乗れなかった。その後も苦戦が続き、22年には実家のある福岡に戻ることを決め、一人で試行錯誤を続けてきた。

昨季はステップ・アップ・ツアー15試合に出場して10試合で予選落ち、途中棄権も1試合あったが、終盤の3試合は予選を通過。「なんとなくだけど、これかなというのがつかめた。このオフはしっかり体を鍛え、スイングもブレなくなった」。まだ手探り状態ながら、復活の手ごたえは確信に変わりつつある。

「最終日はアンダーで回りたい。これからのゴルフ人生にとっても、すごく大事な一日になると思います」

プロ2年目だった13年のシーズン開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」は初日を単独首位で滑り出した。20歳で脚光を浴びた新星候補はきらめくはずだった20代を悩み、苦しみ続けた。季節は春。コースの桜はもうすぐ満開を迎える。ベテランの域に入ってきた31歳も花を咲かせるときがやって来た。(文・臼杵孝志)

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