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制度変更後初となるプロテスト 不合格者たちはどこへ行く?【記者の目】

制度変更後初となるプロテスト 不合格者たちはどこへ行く?【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2019年11月9日 13時00分

次にアマチュア資格を維持する選手。プロテストに合格したタイミングでアマチュア資格を放棄する予定だった選手は、まだアマチュア資格を失っていないため、来年もアマチュアの試合、またアマチュアとして主催者推薦でレギュラーツアー、ステップ・アップ・ツアーに出場可能だ。

もちろん、アマ資格を放棄して日本以外のツアーに出場することも可能だが、もし古江彩佳のようにレギュラーツアーで優勝できれば即会員となれるし、ステップ・アップ・ツアーで勝つことができればプロテスト最終から参戦、さらにQTへの出場権を得られる。「日本女子アマ」で優勝すればプロテスト1次、2次が免除となる。それらのことを加味すると、将来日本の女子ツアーで戦っていくのであればアマチュア資格を保持していたほうがいいという見方が現場では多い。

問題は、過去に単年登録者となるなど、すでにアマチュア資格を放棄している選手たちだ。このような選手たちは今季たとえ主催者推薦があっても、来季はレギュラーツアー、ステップ・アップ・ツアーに出場することができない。今季の単年登録者であれば、今シーズンの残り2試合で優勝、賞金シード、前半戦の出場権、もしくは先述のQT出場権を得られれば問題はない。だが、それは相当高いハードルだ。

そうなると、今後も“日本の”プロゴルファーを目指すために、試合に出場するためには海外ツアーに参戦するか、『マイナビネクストヒロインゴルフツアー』(年間11試合、5〜12月に開催)などLPGAツアー外の競技で力をつけるのか。その海外も、米ツアーのQシリーズ、韓国のインターナショナルQTはすでに終了、台湾ツアーQTは最終プロテストと同週開催。来年頭に行われる中国ツアーなど残ってはいるが、金銭面などクリアしなければいけない問題も多い。いずれにしても来年のプロテストに合格しなければ、今後制度変更がなければ日本のツアーに出場することはできない。

今回の制度変更が決まったときにLPGA広報担当者は「これまでの制度はゴルフファンの方に分かりにくかった。単年登録と正会員での違いが一般の方々に伝わりづらかったため、このような制度にした」と説明した。

確かに『ツアーで優勝した人かテストに合格した人がプロです』という明確な基準はできた。単年登録を廃止にするかわりに優勝者、そしてシード選手には正会員の資格を付与する制度も同時にできた。だが、優勝、即会員というルートがアマチュア向けという見方はできても、そもそも試合に出て賞金を加算できなければシード選手にはなりようがない。結果、日本のツアーに出場したくてもできない“ツアー難民”を生むこととなってしまった。

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