<マスターズ 3日日◇10日◇オーガスタ・ナショナルGC(ジョージア州)◇7565ヤード・パー72>
ゴルフの祭典「マスターズ」の3日目。2021年の覇者で2度目の優勝を狙う松山英樹は、16位タイから出たこの日は6バーディ・6ボギーの「72」と伸ばせず、トータル2アンダー・29位タイに後退。過去2度の出場経験があり、中継するTBSの解説をことしから務める藤田寛之は、松山のプレーをどうみたか。
パーオン時の平均パット数は初日「1.50」、2日目「1.58」、そして3日目は「1.67」。予選2日間は全選手の平均以下の数字だが、3日目は全選手の平均パット数「1.62」と、わずかではあるが初めて越えた。
「バーディはよく取れていましたが、ボギーも多かったですね」と予選ラウンドでは決まっていたショートパットが外れるシーンが目立った。「難しいグリーンなので、こういう日があるのは仕方ない」としたが、「ミスパットなのかラインの読み違いなのか分かりませんが、ボギーは2つぐらいに抑えたかったですね」。優勝戦線から離脱の要因はグリーン上だったという。
序盤はバーディを取りたい2番(パー5)でパーに終わったが、逆に難しい4番(パー3)、5番(パー4)でバーディを奪った。「難しいホールでも、打つべきところに打てればバーディは取れます。逆に打っちゃいけないところにいくとすぐボギーになるのがマスターズですと教えてくれましたね」。難度の高いホールでバーディを取れる松山のポテンシャルの高さをあらためて感じる。
3日目に藤田がもっとも驚いたのはバーディを奪った15番パー5の2打目。ピンまで235ヤードで、2オンを狙ったショットはグリーンに着弾して、少し奥のエッジに止まった。「手前は池ですし、奥に外すと難しいアプローチが残ります。グリーンは硬くて馬の背状です。230ヤード先でどうやって止めるのだろうという状況ですが、見事な高さとスピンであの位置に運びました。本当に世界のトップの証ですよね。アマチュアの方に例えるなら、ゴルフ練習場の人工芝の硬いグリーンで止めるような感じです」。この日もキレのあるショットは随所に見せた。
首位と9打差で最終日を迎える。「正直、優勝はかなり厳しいです。松山選手のゴルフなら、確率的には高くはありませんが8アンダー、9アンダーを出せる力はあります。それでも上位の選手がスコアを伸ばすでしょうから、そこに割って入って2勝目というのは現実的ではないかなと思います。この3日間を見てもすごいレベルでゴルフをやっています。このレベルで戦っているすごさを見せつけてもらいたいです」。世界レベルのショット力と予選ラウンドで見せたパットがかみ合う姿を楽しみにする。
「優勝するためには、パットが入らない日を作らないようにするのか、とにかく入る日を作るのか。加えてミドルパットやロングパットを入れたり、チップインとかそういうモノも必要なのかもしれませんね」。テレビ中継に映る上位の選手は、チップインやロングパットなどミラクルな1打がある。藤田は「世界一難しいコース」と称するが、頂点に立つには“ラック”も必要なのかもしれない。
■解説・藤田寛之
ふじた・ひろゆき/1969年6月16日生まれ、福岡県出身。92年プロ転向。国内ツアー通算18勝。2012年に43歳で賞金王を戴冠。マスターズは11年、13年の2度出場経験がある。24年の「全米シニアオープン」2位を足掛かりに、昨年は米シニアのPGAツアー・チャンピオンズにフル参戦。葛城GC所属
