<マスターズ 最終日◇12日◇オーガスタ・ナショナルGC(ジョージア州)◇7565ヤード・パー72>
昨年、この舞台でキャリアグランドスラムを達成したローリー・マキロイ(北アイルランド)が、初日から首位をキープし、連覇を達成した。
キャメロン・ヤング(米国)とともに首位で迎えたこの日、5バーディ・2ボギー・1ダブルボギーの「71」をマーク。混戦の中でもリードを譲らず、そのまま逃げ切った。最終18番のグリーン上では、パトロンから「ローリー!」の大合唱が響き渡った。約20センチのウイニングパットを沈めると、空を見上げて感情を爆発させた。
キャディと抱き合い、何度もコブシを突き上げる。キャディバッグにキャップを投げ入れると、家族のもとへ。まな娘、妻と抱き合い、その後は両親とも抱擁した。
「20センチのところにマークしたとき、グリーンの奥のほうを見たら、母と父、それからエリカ(妻)とポピー(娘)が見えて、『ああ、またこれをやり遂げたんだ』と思って、こうして(リアクションをして)しまったよ。本当に信じられない気持ちだった。昨年は感情的になったけど、今回は純粋な喜びが大きかった。『すごい、またやってしまった』という驚きのほうが強かったね」
昨年は両親が会場に来ることができなかった。「優勝したあと、すぐに家に帰って会いに行きたかった」と振り返り、「自分がここにいられるのは間違いなく両親のおかげ」と表情を緩めた。今年は「(会場に)来てもらうよう説得する必要があった」と話す。それは「昨年優勝できたのは“彼らが来ていなかったから”と思っていたみたいでね」という理由からだった。
だが、その“ジンクス”は払拭された。「本当に、来てくれてすごくうれしかった。それが間違いだと証明できて良かった。なので、これからも好きなだけ来てもらって大丈夫だ。本当に、彼らがここにいるのは素晴らしいこと。今夜一緒に祝うのが楽しみだ」と笑顔を見せた。表彰式のスピーチではこの話題に触れた際、言葉に詰まり、涙を拭った。その姿にパトロンから大きな拍手が送られた。
報道陣からは、『この大会とこのコースは、人生について何を教えてくれたと思いますか?』という質問があった。マキロイは少し考えた後、こう答えた。
「“待っていれば良いことはやってくる”ということかもしれない。きょうは昨年の最終ラウンドととても似た状況にいた。2〜3打差を追う展開で、その後は安定したゴルフができた。11ホールで4アンダーを出せたのは、最終ホールに向かうまでに余裕を作るため、必要なプレーだった。とにかく自分に集中することを意識していたよ」
「14アンダーに到達できれば、他の選手がそこまで伸ばすのは難しいだろうと思っていたんだ。だから、そのスコアを目標にしていた。最終的には13アンダーで終え、2打のリードを持って最終ホールに入ることができた。目標にはわずかに届かなかったが、とにかく“続けること”だ。頭を下げて、やり続けること。正しいことに時間をかけて取り組んでいれば、最終的には必ず報われると思うよ」
ブレない目標を持ち、それを最後まで追い続ける。目の前の一打に集中し、自分の選択を信じてやり続ける。その積み重ねこそが、連覇という結果につながった。(文・高木彩音)
