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セルヒオ・ガルシアのスイングを解説 「インパクトで小さくなるのは、唯一無二の“シャローダウン”が理由だった」

ここ5年の間にスイング解析器とギアが目覚ましい進化を遂げ、300ヤードヒッターが急激に増加。「飛ばすなら曲がる」時代から「飛んで曲がらない」時代へ突入した。そんな世界のトッププロたちのスイングを、プロコーチの井上透氏が解説する。

配信日時:2020年6月14日 18時00分

撮影:岩本芳弘
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右ワキ腹が伸びて左ワキ腹が縮む“側屈”動作で上げる

バックスイングでは、右ワキ腹が伸びて左ワキ腹が縮む左に倒れるような動きで上げている

バックスイングでは、右ワキ腹が伸びて左ワキ腹が縮む左に倒れるような動きで上げている

15歳で「欧州アマチュア選手権」を制し、16歳で「全英オープン」に出場。かつて“神の子”と呼ばれたセルヒオ・ガルシア(スペイン)も今年で40歳になった。これまでに欧州ツアーで16勝、米ツアーで10勝を挙げている。6月の米ツアー再開前までドライビングディスタンスは316.6ヤードで5位。40歳にしてなぜそんなに飛ばせるのか。最先端のスイング理論に精通しているプロコーチの井上透氏が解説する。

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ガルシアのスイングはすべてが特徴的です。バックスイングでは回転動作よりも、右ワキ腹が伸びて左ワキ腹が縮む側屈動作の方が大きい。頭が右方向に動くのも左に倒れながら上げているから。そしてバックスイングを上げている間に、今度は右方向に倒れる準備を始めている。体を揺らして打っている感じです。

早めの切り返しで、オーバースイングにならない

右ワキ腹が伸びるとオーバースイング側に入りやすいが、早めに切り返し動作をすることによって、オーバースイングにならない。そして、ヘッドが低い位置からシャローに下りてくる

右ワキ腹が伸びるとオーバースイング側に入りやすいが、早めに切り返し動作をすることによって、オーバースイングにならない。そして、ヘッドが低い位置からシャローに下りてくる

彼がすごいのは、オーバースイングにならないところ。ガルシアの動きを真似しようとすると、体が左方向に倒れるので、オーバースイングになりやすいんです。早めに右方向に倒れて切り返すことによって、ヘッドがオーバースイング方向に垂れることはありません。それにガルシアは動き続けているので、トップというものが存在しない。それが爆発的なタメ動作にもつながっていて、その深い手首の角度をインパクトで戻してこられるので、効率的に球を飛ばすことができるんです。

手首で効率的にクラブを動かすから、長く活躍できる

クラブが背中側に回り込むような深いタメを作り、インパクトで戻すことで効率的に飛ばしている

クラブが背中側に回り込むような深いタメを作り、インパクトで戻すことで効率的に飛ばしている

もともとガルシアがデビューした20年前は、手首をこれだけ使っていることが上手いという人がいる一方で、安定性に欠けるのではないかとネガティブにとらえる人もいました。でも、ドライバーの平均飛距離とフェアウェイキープ率の順位を合算したトータルドライビングで1位(2001年)を獲るなど、実際には飛んで曲がらない選手だったわけです。歳を取っても活躍できるのは、クラブワークで効率的に飛ばしているからとも言えます。青木功さんもしかりですね。

左カカトをアウトステップして、力を逃がさないようにする

トップから切り返しで、左カカトを外側に踏み込むことで、左カカト方向に体重が抜けないようにしている

トップから切り返しで、左カカトを外側に踏み込むことで、左カカト方向に体重が抜けないようにしている

次にフットワークを見ていきましょう。アドレスで左ツマ先を開いておいて、切り返しで左カカトをアウトステップして打っています。ツマ先を開いたままだとカカト方向にウェートが逃げてしまうので、この踏み込み動作を意識的にやっている可能性があります。どちらもやってみて、ガルシアにとっては左ツマ先に重心をかけたほうが飛んだ。そういう理由だと思います。

低く下ろしてこられるから、インパクトで小さくなる

インパクトでは手元がアドレスよりも低い位置に下りてきて、ヘッドがシャローに入る。ヒザを伸ばさないので、インパクトのほうが体は小さく見える

インパクトでは手元がアドレスよりも低い位置に下りてきて、ヘッドがシャローに入る。ヒザを伸ばさないので、インパクトのほうが体は小さく見える

最近はインパクトで脚を伸ばしたり、跳んだりする選手が多い中で、ガルシアにはまったく伸びる動きがありません。インパクトでは前傾が伸びてしまってもいいし、クラブを振る方向と反対方向に距離をとって当てるのが普通の選手の定番です。起き上がってとらえた方が体的にも楽。ところがガルシアは、後方から見たとき、アドレスよりもインパクトのほうが体が小さく見えます。彼はあれだけ手元を低くシャローに下ろしてこられるので、伸び上がって距離をとるとミート率が悪くなってしまうのです。

ガルシアのようにアドレスよりもインパクトのほうが手元が低くなる選手は、歴史上いないと思います。つまり、誰も真似できないということなんです。真似をする必要性もないし、真似しようとしてもできない。彼そっくりのスイングの選手が出てこないのは、その2つの理由があるからです。なのでガルシアのスイングは、あくまで観賞用として楽しんでください。
■解説・井上透
1973年生まれ。神奈川県出身。1997年からツアープロコーチとしてのキャリアをスタート。中嶋常幸、佐藤信人、米山剛などのコーチを務めた。現在は成田美寿々や穴井詩らを指導している。東京大学ゴルフ部監督としての顔も持つ。

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