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全英オープン、勝敗を分けた「パット・イズ・マネー」【舩越園子コラム】

全英オープン、勝敗を分けた「パット・イズ・マネー」【舩越園子コラム】

配信日時:2022年7月18日 12時10分

だが、メジャーで惜敗続きは実を言えばスミスも同じで、2018年以降、何度も優勝争いに絡みながら、どうしても勝てなかった。

とりわけ、今年4月のマスターズの惜敗はゴルフファンの記憶に新しい。スコッティ・シェフラーと最終日最終組で回ったスミスは、2連続バーディで好発進を切りながら、直後に2連続ボギーで後退。12番で池に落としてトリプルボギーを喫し、3位タイに甘んじると、「ミスが多すぎた。スコッティに脱帽だ」と潔く完敗を認め、勝者を讃えた。

そんなスミスが、この全英オープンでは4日間、ミスを最小限にとどめるゴルフを披露。3日目こそオーバーパーの「73」となったが、「僕のプレーは何も悪くなかった。ただ、ゴルフの神様が今日は僕の日ではないと言っていた」と割り切った。そして最終日は「忍耐」をキーワードに掲げつつ、「グリーン上では距離があってもアグレッシブに行こうと心に決めていた」。

自身の誓い通り、スミスのパターは火を噴き、セント・アンドリュースのうねるグリーンをものともせず、1パットで沈めること6度。最終日を29パットで終えた。

一方、マキロイは最終日に18ホールすべてのグリーンをレギュレーションで捉え、パーオン率100%を誇りつつ、2バーディ、ノーボギーで回った。だが、18ホールすべてを2パットで終えた合計36パットがスミスに大逆転優勝を許す結果を招いた。「僕のプレーは何も悪くなかったが、キャメロンの『64』に脱帽だ」。マキロイは潔く敗北を認め、勝者スミスを讃えた。

2人の勝敗を分けたのはパットの差。「マキロイの完敗」と言うより、「スミスの圧勝」だった。

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