不運な巡りあわせだった。少なくとも彼らにとって幸運ではなかった。しかし、勝利したストレイカが同じ激しい風雨の中、18番で見事な2オン、2パットを披露したことを思えば、あの風雨を「敗者たちの不運」と呼ぶべきではないのだろう。
勝利したストレイカは、こう言っていた。
「雨が降り出す前に18番のティショットを打てたことが、とてもラッキーだった」
これは、勝者だけが口にできる言葉だ。優勝するためには運も必要。この日、フィールド内で最高のショットとパットを披露したストレイカは、幸運の女神を味方に付け、PGAツアー会場に史上初めてオーストリアの国旗を掲げた。
手に汗握る展開は、「これぞPGAツアー」だった。