「悪いことのあとには必ずいいことがある。そう(妻の)ケリーに話した」というラーム。
2週後の全米オープンには復帰。会場はカリフォルニア州サンディエゴのトリーパインズGCで、ラームがツアー初優勝を飾り、しかもケリー夫人にプロポーズした思いでの地で見事に勝利。メジャー初制覇を飾ることになった。
「これが思った“いいこと”に違いない。こんなにうれしい勝利はない」と喜びに浸ったのも束の間。「国を代表して戦うのは誇りだ」と大いに意欲を見せていた東京五輪の出場を前に再び「コロナ陽性反応」。出場を断念することとなった。
のちにラームはこの感染を「偽陽性だったに違いない」と語っているが、五輪のルールではどうにもならなかった。
その後プレーオフで復帰するまで4週間は思わぬシーズン半ばのバケーションとなった。ラームは実は今年4月、長男が誕生しており、ケリー夫人とケパくんと過ごした。家族との時間を楽しんだラームだが、五輪に出られなかった悔しさは「気持ちの整理がとても難しかった」と言う。