ついに始まった母国での五輪だが、初日のラウンドを終えた松山英樹の表情はさえなかった。「うまくいかなかった。明日に向けて頑張りたい」。スタートダッシュを決めながら、後半伸ばせない展開となった1日に言葉も少なかった。
トミー・フリートウッドのバイザー姿は貴重【五輪フォト】
午前8時41分、松山のラウンドが始まった。快晴のなか、関係者らの拍手に送られコースに飛び出した。1、2番はきっちりとパー。すると、3番パー4で左フェアウェイバンカーからのセカンドショットをピン奥3.5メートルにつけ、続くバーディパットを沈めた。さらに、やはりティショットをバンカーに入れた5番パー5でも、3打目を1メートルほどにつけ、スコアを伸ばす。7、8番でも連続バーディを奪い、この時点で4アンダー。金メダル候補の貫禄を見せた。
しかし、ここからガマンの時間を過ごすことになる。521ヤードと、長いパー4の9番では、ティショットを大きく右に曲げてしまう。この距離のホールでミスは痛手になる。結果的に、3オン2パットとして、初のボギーを叩いてしまった。さらにやはりドライバーを曲げて、左の林に入れてしまった11番パー4でもスコアを落とすことに。この後は、ピンチを乗り越えながらパーでしのぎきったが、「後半うまくいかなかった」という印象を拭うことができなかった。
初日を終え2アンダー。これが新型コロナウイルス感染から復帰後の初戦と考えると、まずまずといえる結果だ。10日以上過ごした自主隔離期間中は練習もできず、本格的な調整は先週の日本帰国後からとなった。その限られた時間で、少しでも調子を上げられるよう、コース練習が解禁された先週24日(土)から霞ヶ関で精力的にクラブを振ってきた。
