アイアンセットのPWを抜いて46度のウェッジを入れていたので、アイアンは6〜9番の4本だけ。さらに秘密兵器としてチタンフェースのSWを片山プロのアイデアで開発。フェースの重量を軽くした分、トップブレードを重くしてヘッドの重心を上げることで、スピンをかかりやすくするのが狙い。オーガスタで勝つために考え抜かれた片山プロらしいセッティングでした。
そして賞金王になったばかりの当時18歳の石川プロには、「アイアンショットの精度はまだまだだからアプローチでカバーしたい」ということで4種類のアプローチを取材。それだけでなく、『アプローチスタンスシート』を付録に付けました(記事内写真)。実際に石川プロに大きな紙の上でアプローチのアドレスをとってもらい、シューズの位置とフェースの開き具合をトレース。(シューズにペンのインクが少し着いてしまったのは、申し訳ありませんでした。)その上に立って構えれば、石川遼の4種類のアプローチのアドレスが再現できるというものです。
特にロブショットのアドレスでは、「10ヤードでこんなにスタンスを広げるの!」と読者からの驚きの声があったのを覚えています。机の中を探ってみると、そのスタンスシートが3枚も出てきました。約10年ぶりに乗ってみると確かに広い…。もしかしたら、本人がいま乗っても驚くかもしれませんね。
あれから11年。昨年のマスターズに出場した日本勢は松山英樹プロと今平周吾プロの2人だけ。そして今年は、松山プロ1人になっちゃいました。過去を振り返っても4人が最多。5人以上の日本人が一度に出場するマスターズも見たいし、いつかはグリーンジャケットに日本人が袖を通すところも見たい。そう思いながら、今年のALBAをパラパラとめくってみると、やはりマスターズ特集が。いよいよ春の祭典が開幕します。(文・下村耕平)