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「信じるもの」があればこそ【舩越園子コラム】

「信じるもの」があればこそ【舩越園子コラム】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2020年9月28日 12時00分

だが、スワフォードは再び上昇し、3年ぶりに勝利を挙げた。彼の復活を支えたものは何だったのだろうか。

シードを失い、公傷制度に頼って臨んだ昨季は「とても苦しいシーズンだった」。7月には右足の手術を受けた。実母が乳がんと診断され、母の回復を祈りながら、乳がん撲滅のためのチャリティ活動にも参加するようになった。ゴルフを知らない子どもたちにゴルフに触れる機会を授け、ゴルフを活用して育成を図る「ザ・ファースト・ティ」の地元機関で愛妻キャサリンが働いていることもあり、スワフォードも地域の子どもたちと積極的に交流してきた。

自分のゴルフが不調に陥ったときでも、そうやってスワフォードは大切なものを守り、信じるものを信じ続け、「人生は山あり谷ありだ」と自分に言い聞かせていたという。

彼のそんな生き方は、まさに彼のゴルフにそのまま反映されている。今大会で初日を首位タイで発進したスワフォードは、黙々と練習を重ねてきたことが「いつか必ず報われると信じていた」。

10番からスタートとした2日目は、11番でスズメバチに手を刺され、そこから先は出入りの激しいゴルフになった。だが、最後は3連続バーディで締め括り、単独首位へ。ラウンド中、絶えず痛みが走ったそうだが、「おかげで、ゴルフのことを考えすぎることなく一打一打に集中できた」。きわめて前向き。何ごとにも感謝。そんな彼の人柄が、アクシデントをも生かすことにつながった。

最終日の優勝争いは混戦状態だったが、スワフォードは17番(パー3)でピンそばを捉え、バーディを奪って単独首位へ浮上。決め手の一打を放ったのは、またしても6Iだった。「6Iなら打てると信じていた。僕は、このクラブで、このショットを何百回も何千回も練習してきたのだから」。信じるものがあったからこそ、ここぞという場面で生かすことができた。

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