<アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 事前情報◇28日◇テ・アライリンクス・サウスコース(ニュージーランド)◇6842ヤード・パー71>
2年連続2回目の出場となる17歳・片野貫一朗(エリム・クリスチャン・カレッジ)にとって、今大会は特別な思い入れのある一戦だ。
ゴルフの腕を磨くことに加え、英語力の向上も目的にニュージーランドへ留学している。例年、大会期間中に翌年の開催地が発表されるが、昨年、今年の開催地がニュージーランドに決まると、「出たいです」と胸を躍らせていた。
会場は、現在暮らしているオークランドから車で1時間ほど。以前から今大会を意識し、準備を進めてきたという。「この試合をずっと意識して、クラブセッティングも考えて練習してきました」。事前に下見ラウンドを済ませるなど抜かりはない。
とはいえ、地元に近いからといって簡単な戦いにはならない。会場は、硬く締まったフェアウェイがボールを跳ねさせ、グリーンとの境目もあいまいな本格的リンクスコースだ。バンカーとして造られたものもあるが、その多くはコースの両サイドに沿って広がる砂浜のような地形。自然の地形を色濃く残したコースが、選手たちを待ち受ける。
普段、オークランド周辺でプレーする片野にとって、こうしたコースは慣れ親しんだ環境とは異なる。「林間コースのようで、地面も柔らかい」と話すように、いつものゴルフ場とは勝手が違う。それでも、ニュージーランド特有の風への備えには自信がある。
「低い球を打つ練習はしている」。日頃から強い風が吹く環境でプレーしていることもあり、風への対応は磨いてきた。クラブセッティングにも工夫を凝らし、今回は5番ウッドを抜いて、球を低く抑えやすい3番ユーティリティを投入。リンクス攻略に向け、準備を整えている。
4月にはオーストラリアで行われたジュニア大会で優勝するなど、着実に実績も積み重ねてきた。さらに、今大会に出場する本大志も進学するアリゾナ大からオファーを受けるなど、将来への道も開けつつある。
「アメリカの大学に行ってから、PGAツアーに行くことが一番目指しているルート。そういう意味では成功です」
目標は、米ツアーでプレーすること。大学進学を足がかりに、その夢へと確実に歩みを進める。優勝すれば「マスターズ」と「全英オープン」の出場権を手にできる今大会も、世界への扉を開く大きなチャンスだ。「慣れた気候なので自信はあります」。積み重ねてきた準備を武器に“準地元”で大一番を迎える。(文・齊藤啓介)
