<アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 事前情報◇21日◇テ・アライリンクス・サウスコース(ニュージーランド)◇6842ヤード・パー71>
マスターズトーナメント、R&A、アジア太平洋ゴルフ連盟(APGC)が主催する大会が、29日(木)にニュージーランドのテ・アライリンクス・サウスコースで開幕する。39カ国から120人が出場。優勝者には翌年の「マスターズ」と「全英オープン」の出場権が与えられる。
日本勢は7人が出場。その中心となるのが、昨年大会で優勝争いを演じた長﨑大星だ。最終ホールのパットやプレーオフの激闘が記憶に残るなか、2度目の挑戦に向け闘志を燃やしている。
「自分の中では今年一番の目標であり、悔しさも晴らしたい。自分の夢でもあるマスターズに出場するために最も近い大会でもあります」
昨年は初出場ということもあり、どのあたりの順位を目標にすべきか分からない部分もあったという。しかし、1年間の経験を経て、自分の立ち位置を把握。「次は最初から優勝を目指したい」と、明確な目標を掲げている。
この1年でスイングにも大きく手を加えた。米国男子ツアーやアマチュアの国際大会を経験するなかで、ロングアイアンの飛距離や高さ、精度に課題を感じ、トップの位置を高くするなどの改良に着手。ショートゲームも状況に応じた感覚頼みの対応から、ボールやクラブの位置、体の重心などを統一する取り組みを進めてきた。
今年6月にはリンクスコースを初めて経験。風の強さや芝の硬さが普段のコースとは大きく異なることを実感し、球筋やアプローチの強化にも取り組んできた。昨年の経験とこの1年の成長を、世界への扉を開く一戦で発揮できるか。
今大会には、兄の長﨑煌心も初出場する。昨年、弟が優勝争いを繰り広げる姿を中継で見て、自分も出場、優勝してマスターズに行きたいと考えるようになったという。
「もちろん優勝を目指して、リンクスコースなので難しいとは思いますが、一つ一つのプレーにしっかり対処していけるよう頑張りたいなと思います」
兄弟で同じ舞台に立つ今大会。煌心は「兄弟で上を目指して頑張っていけたらなと思っています」と話しており、切磋琢磨をしながら世界最高峰の舞台を目指す。
4度目出場の隅内雅人にとっても、今大会は特別な意味を持つ。マスターズへの道が開かれる大会だからこそ、挑戦を続けてきた。今回は学生最後、アマチュア最後の試合になるという。「思い残すことの無いように優勝に向けてまい進したいと思います」と、ここで有終の美を飾るつもりだ。
日本勢はほかに、世界アマチュアランキングで日本勢最上位の65位につける本大志や、片野貫一朗、佐藤快斗、矢田賢司が出場する。
海外勢では、昨年大会覇者のフィファ・ラオパクディー(タイ)、世界アマチュアゴルフランキング(WAGR)17位のハリー・タキス(オーストラリア)、同19位のザッカリー・スワンウィック(ニュージーランド)、2024年大会2位のジョウ・ジーチン(中国)らが顔をそろえる。
舞台となるテ・アライリンクス・サウスコースは、ビル・クーアとベン・クレンショーが設計し、2022年に開場したリンクスコース。オークランドから車で約75分の場所にあり、太平洋を望む16ホールのオーシャンビューと、自然の砂丘に造られた硬く速いフェスキュー芝が特徴だ。風への対応力に加え、硬い地面を生かした球筋やアプローチなど、リンクスならではの技術が問われる。
2009年に創設された同大会は、これまで松山英樹が2010年、11年と2連覇を達成。18年には金谷拓実、22年には中島啓太が優勝している。日本勢にとっては、中島以来となる優勝とマスターズ出場権獲得を目指す戦い。昨年の雪辱を期す長﨑大星をはじめ、7人の挑戦がいよいよ始まる。(文・齊藤啓介)
