<Qシリーズ(最終予選) 最終日◇9日◇マグノリア・グローブGC(アラバマ州)◇フォールズC=6643ヤード・パー71、クロッシングスC=6664ヤード・パー72>
悪天候が続き、6日間(うち中止が1日)に渡って行われた今年の米女子ツアー最終予選会が、9日に終了した。90ホールから72ホールに短縮されるなど波乱含みではあったが、トータル8アンダー・10位タイで終えた櫻井心那が、新たにツアーメンバー入り。トータル5アンダー・24位タイの渋野日向子、西村優菜とともに、限定的な出場権を得られる『カテゴリー15』入りを決めた。
櫻井が通過したことにより、来季は15人の日本勢が米国を主戦場にする。今季の新人賞に輝いた山下美夢有や、竹田麗央、畑岡奈紗、西郷真央、明愛と千怜の岩井姉妹、勝みなみ、古江彩佳、馬場咲希、吉田優利はトップカテゴリー、すなわちシードとも言える『カテゴリー1』。笹生優花は今季はポイントランク132位と苦しんだが、昨年の「全米女子オープン」優勝で得た出場権で『カテゴリー3』に入る。
さらに、下部のエプソン・ツアーポイントランク5位で、原英莉花が米ツアーに昇格。同10位以内の選手が入る『カテゴリー9』で参戦する。櫻井と原は来季、ルーキーイヤーとなる。
今季は日本女子ゴルフ史上最多となる6人が優勝(合計7勝)し、うち「シェブロン選手権」を制した西郷、「AIG女子オープン」(全英)で勝った山下と、メジャー覇者も2人が誕生した。ポイントランクトップ10にも3人(2位山下、4位竹田、9位畑岡)が入るなど、まさに一大勢力になっている。
櫻井は予選会終了後、日本勢の活躍について聞かれると「すごいなと。日本人選手がいっぱい勝っているので、アメリカでの優勝が身近になったなと思います」という“相乗効果”を口にした。さらに渋野も「みんなめちゃくちゃいい結果を残していたし、それを見て、自分も頑張らないととか焦りもあった。悔しい思いもたくさんしていますけど、みんなすごく強いし、レベルの高い選手ばかり。自分もより変化していかないといけない」と刺激にする仲間たちだ。
予選会のあと、櫻井が西村、渋野に“心配”を告げると、「大丈夫!日本人いっぱいいるし」という言葉をかけられ、安心した表情になったのは印象的だった。来年も、海の向こうで大きな盛り上がりが見られそうだ。(文・間宮輝憲)
