<JLPGA最終プロテスト 事前情報◇2日◇静ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇6462ヤード・パー72>
初めて最終プロテストに出場した1年前は、「謎の自信があって。根拠がない自信だったんですけど」と振り返る。結果は合格まで4打及ばず、不合格だった。「意味が分からず、何が悪いかも分からないうちに終わっちゃってました」。だが、2度目の挑戦となる今年、荒木七海は地に足がついていることを感じられている。
それは自らの成長に“根拠”があるから。昨年8月ごろ、最終プロテストに備え、会場のJFE瀬戸内海GC (岡山県)を事前ラウンドのため訪れた時、パターに違和感を覚えた。「ストロークできないし、自分がどこに打ち出すかも分からなくなって」。そこで、現在、JLPGAツアーで戦う姉の優奈がかつて使っていた長尺パターを引っ張りだし、「見よう見まね」の“我流”で使用し始めたという。
ただ、正しい使い方は分からないまま。それは「ショートパットは思った通りに行くんですけど、ロングパットでパンチが入ってしまったり」と、グリーン上での不安定さを招いていた。プロテストに失敗したことなどもあり、今年の4月からパターレッスンに通っている。「最初は長尺のいいところを打ち消していると言われました」。支点がぐらついていることなどを指摘された。
道具の扱い方だけでなく、そのレッスンではデータなども参考にし、自分のパッティングを見つめ直した。今回の最終プロテスト前の10月末にも訪れ、最終確認もしている。「ストロークも安定してますし、距離感もイメージが作れるようになりました」。グリーン上でのリズムの大事さを痛感し、メトロノームが刻む音を体に染み込ませてもきた。このパッティングに、1年前との大きな違いがある。
今年はレギュラーツアーにも6試合出場。10月の「日本女子オープン」では初日に「64」を記録し首位発進している。さらに同じ月の「Sky レディスABC杯」も、最終日に「64」を叩き出して、優勝したリ・ハナと2打差の2位で終えている。この経験も、プロテストにおいては大きな自信になる。
「今まで試合でビッグスコアを出すことがなかったんですけど、この2試合で『自分は大事なところでスコアを出せるんだ』って思えました。去年は、プロテストの時もですが、初日が悪かった時に『取り返せるの?』って不安だったんですけど、今は『できる』と思うことができて、少し楽にもなりました」
ビッグスコアを出した大事な要因についても「パター」と話す。姉からエールや助言をもらえるのは、いつも試合が終わった後だという。「優奈自身が、試合前にあまり何かを言われたくないタイプだから、私にもそうしてくれてるんだと思います」。そして、仲良しの姉は、こんな風に気持ちも押してくれる。「優奈ができたんだから、私にもできるって思ってます」。1年間で、大きな武器に変わった長尺パターを駆使して、姉がいる舞台にたどり着いてみせる。(文・間宮輝憲)
