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「もう一つ上のステージへ」決断した両手首の手術 12年ぶり“2勝目”の川村昌弘が復帰2戦目で得た収穫【JOYX OPEN】

日本一の草トーナメントを自称する初夏恒例のワンデートーナメント。川村昌弘が「65」をマークし優勝を果たした。

所属 ALBA Net編集部
小高 拓 / Hiromu Odaka

配信日時:2025年6月23日 07時00分

<MAIN STAGE JOYX OPEN 1日競技◇22日◇JOYXゴルフ倶楽部上月コース(兵庫県)◇7039ヤード・パー72>

ツアー外競技の「MAIN STAGE JOYX OPEN」が行われ、DPワールドツアー(欧州ツアー)を主戦場とする川村昌弘が8バーディ・1ボギーの「65」をマーク。7アンダーで大会初優勝を遂げた。優勝カップを掲げるのは、地区オープンなどを含めてもツアー初Vを遂げた2013年の「アジアパシフィック パナソニックオープン」以来、12年ぶり2回目。「うれしいです」と喜びをかみしめた。

【写真】クセがすごい⁉ 川村昌弘のパター

主戦場への本格復帰に向けた道中での“プロ2勝目”となった。昨年9月の「アムジェン・アイルランドオープン」を最後に、両手首の痛みにより戦線を離脱。2025年1月に左手首、2月には右手首の手術を受け、6月の「日本ゴルフツアー選手権」で約9カ月ぶりに実戦復帰を果たした。

今大会は復帰2戦目。「アイアンショットの距離の作り方とか、細かいことは全然できない」という状態だが、「飛距離は手術する前ぐらいに戻ってきていますし、僕はゴルフの調子とスコアは関係ないと思っている派。スコアを作ることにフォーカスしました。『65』はいいスコアだと思うし、良かったです」。ショットの波はあったものの、終盤に7~8メートルのバーディパットを2度沈めるなどスコアメーク。8月の欧州復帰に向けて、着実に歩みを進めている。

術後は4月末からクラブを握り始め、「最初は5番ウッドで200ヤード、6番アイアンで120~130ヤード」の距離感でリスタート。現在はドライバーのキャリーも手術前の270ヤードに戻りつつあるが、まだまだ完全復活には遠い。

手術を決心したのは、2023年の米ツアー予選会がきっかけだった。「1次から受けて2次でダメだったんですけど、ケガをしていて自分の気持ちいいプレーができないと感じた。もう一つ上のステージは無理だなと思って、完治を目指して手術することにしました」。

欧州ツアーに留まるだけなら、痛みを抱えながらプレーする選択肢もあった。だが、米ツアー参戦を見据えた時、手首を万全な状態にしておきたかった。痛みがなくなり、「しっかり振って」1Wのキャリーが300ヤード打てる状態までもっていきたい。

この日の収穫はスコアやタイトルだけではなかった。「17番ぐらいから、(優勝を意識した)ピリッとした状態でいいプレーができたのは、すごくいいリハビリでした。18番のドライバーショットは飛距離も出ていたし、アドレナリンが出て痛みも気になりませんでした」。勝負どころでの集中力にも手応えを得た。

国内ツアーでは7月末の「リシャール・ミル チャリティトーナメント」にも出場予定。さらにその前には、7月1日にイングランドで行われる「全英オープン」最終予選にもエントリーしている。1日36ホールの長丁場となるが、「過酷なテストになると思いますけど、復帰に向けて一歩ずつですかね」と前を見据える。全英出場については、「いやいや、この状態では……」と言いながらも、表情はまんざらでもない。戦いの中で収穫を得ながら、完全復活を目指す。(文・小高拓)

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