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渋野日向子、西村優菜も“ウェルカム!” 櫻井心那が来季15人目の日本人米ツアーメンバーに 「これから忙しくなる…らしいです」

米国女子ツアーの来季出場権をかけたQシリーズで櫻井心那が通過した。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年12月10日 08時52分

<Qシリーズ(最終予選) 最終日◇9日◇マグノリア・グローブGC(アラバマ州)◇フォールズC=6643ヤード・パー71、クロッシングスC=6664ヤード・パー72>

来季の米ツアー参戦を目指し、2次予選から勝ち上がってきた櫻井心那は、クロッシングスCの最終9番で3パットのダブルボギーを叩き、悔しさと不安が入り混じるホールアウトを迎えることになった。トータル8アンダーで出場権は確定(順位は10位タイ)。だが、“少しでも上の優先出場順位を”という気持ちが、そのモヤモヤの原因だ。それでも最後は、渋野日向子、西村優菜と一緒に笑顔でよろこびを分かち合った。

【写真】ツアーカードとともに3人そろってはい、チーズ!

「まだ実感がないですね。雨や風、待ち(時間の長さ)とかは、日本ではなかなかない。きょうも(霜が原因で)朝が遅れたし、大変でした。短縮されたけど、めっちゃ長く感じました」

初の予選会は、悪天候がもたらしたタフなラウンドが続いた。第3ラウンド(R)と最終Rが行われた前日は、上がり連続バーディを奪い、暫定2位まで浮上したところでサスペンデッドに。この日は1番からの9ホールを回り、スタートホールこそボギーを叩いたものの、4番で取り返すなど“安全飛行”が続いた。最後にショックなできごとが起こったが、堂々の戦いぶりだ。

11月30日まで行われていた、日本ツアーの今季最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」に出場し、12月1日に渡米。だが「練習日は『もしかしたら棄権もあるな』と思うくらい、ずっと寝ていた」と体調を崩していた。それに大雨、寒さと悪天候が続く。だが「どこでも寝られる体質だし、睡眠を今週はけっこう取れたので、それがよかったのかな」と、涼し気な表情で振り返った。

「全体的によかった」というショットに後押しされた今回の予選会。渡米前には芝質の違いに不安をもらしていたが、現地で手応えもつかんだ。「日本のコースと全然違うのは、2次予選から思ってました。ドライバーのストレスが本当に少ない。すごく打ちやすくて、好きだなと思いました」。今回の会場もそうだが、フェアウェイが広めなコースが多い米国は、今季のドライビングディスタンスが251.39ヤードで日本ツアー9位だった飛ばし屋を、さらに覚醒させる可能性も秘めている。

ただ、こうも続ける。「(左右に曲がると)距離が長くなったり、角度が難しくなったり、戦略が問われると思う。広いけど頭は使う、っていう感じですね」。そして「課題はいっぱい」と続ける。今回の経験を基に、この後迎えるオフは、“米国仕様”に調整を進めることになりそうだ。

ゴルフ以外にも、「山登りとかしてみたいです。ハイキングとか。自然が好きなので。滝とか見に行きたい」と言ってニコリ。移動や食事なども、日本とは大きく異なるが、「不安なことはあまりないです。英語が喋れないことぐらい。喋れるようになりたいと思います」というのも頼もしく、新生活を満喫できそうだ。

ラウンド後には、渋野、西村から『たくさん日本の選手がいるから大丈夫』などたくさんの言葉をかけられ、歓迎も受けた。今季すでに13人の日本人選手が活躍。そして下部ツアーからの昇格を決めた原英莉花に続き、15人目の米ツアーメンバーが誕生した日だ。「日本人選手がいっぱい勝っているので、アメリカでの優勝も身近に感じています」。その優勝者のなかには、同学年の竹田麗央も。切磋琢磨の場としても最適といえる。

米ツアーを目指すきっかけになったのは、プロになってから初めての海外試合となった2022年8月の招待試合「シモーネ・アジアパシフィックカップ」(インドネシア)。渋野が妹の暉璃子(きりこ)とペアを組んだことでも話題になった試合だ。「そこがきっかけになり、ずっとアメリカのことを考えていて、ようやく。まだ早いかなと思う時もあったけど、早く行かないとっていう焦りもあった。一安心だし、またモチベーションが上がりました。もっと頑張らないとダメなので、頑張ります」。22歳になる年に、念願が叶う。

今回の予選通過選手が入る『カテゴリー15』の優先出場順位では、春のアジアシリーズ参戦は厳しく、初戦は3月以降になる見込み。「全然、何も考えてないです。通ってからいろいろ考えようと思って」という転戦プランを練る時間もまだ十分にある。「これから忙しくなるらしいです…聞いた話によると。帰ったらお仕事もいっぱいあるので、体調だけは気をつけたいです」。こう話す時も、笑顔が絶えない。躍進著しい日本勢のひとりとして、新天地での活躍を目指す。(文・間宮輝憲)

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