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試行錯誤の末に手にした“今季初V” 稲見萌寧がTOTO優勝→米ツアーメンバー入り【23年米女子名勝負】

2024年はますますの盛り上がりを見せるであろう米女子ツアー。シーズン本格開始の前に、昨シーズンの名勝負を振り返ろう。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2024年2月15日 12時30分

米国女子ツアーで優勝を飾った稲見萌寧
米国女子ツアーで優勝を飾った稲見萌寧 (撮影:鈴木祥)

米国女子ツアーはタイ決戦を皮切りに、いよいよ2024年シーズンが本格的にスタートする。畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子らに加え、稲見萌寧、西郷真央、吉田優利も参戦。ますますの盛り上がりが期待されるが、その前に昨年の名勝負を振り返りたい。今回は「TOTOジャパンクラシック」。

銀メダルをかんでニッコリ【写真】



日本で唯一開催される米国女子ツアーで稲見萌寧が大仕事をやってのけた。トータル22アンダーで1打差を逆転し優勝。日本での今季初優勝は、稲見のゴルフ人生“第二章”の幕開けでもあった。

初日に8アンダーの2位タイで好発進を切ると、2日目も「68」をマークして上位をキープ。3日目に「65」の好スコアをたたき出して、最終日最終組に入った。

同組は米ツアーメンバーとして出場していた畑岡奈紗に初優勝を目指す桑木志帆。1打差を追いかける最終日を迎えた。終盤までその争いは一進一退で混戦模様に。そして17番パー5で2オンに成功した稲見が難なく2パットでバーディを奪い、頭一つ抜け出した。

最終18番パー4では“らしい”ショットが飛び出す。ティショットをフェアウェイセンターに運ぶと、池越えの2打目はフェードの球筋を描き、ピンをめがけて飛び出していった。手前2.5メートルにオン。バーディパットはカップをかすめて苦笑いを浮かべたが、ウイニングパットを決めると両手を空に突き上げた。

ホールアウト直後のインタビューでは声を震わせ、涙が頬を伝った。「今年は苦しい時期のほうが多かったので、ここで優勝できて良かった」。オフから6月までの間にスイング改造を4度行い、秋にはアイアンを一新。試行錯誤を重ねた先に、待望の“今季初優勝”は待っていた。

上位を日本勢が埋めたことから、「4日間回って日本人以外と回ったのがひとりだったので、もっと関わってみたかった(笑)」と冗談めかして笑った。これが22年「トラストゴルフ・スコティシュ女子オープン」で古江彩佳がルーキーVを飾って以来の日本勢の優勝。そして23年シーズンにおける日本勢唯一の勝利となった。そしてこれは、稲見にとって大きな意味を持つことになる。

この優勝により、24年の米ツアー出場権を獲得した。「チームと話し合いたい」としその場では参戦を明言しなかったが、その翌週には行使することを決定。東京五輪銀メダリストのツアー参戦とあって、海外メディアからも注目を集めた。

米ツアー優勝者として今季はすでに、過去2年の優勝者のみが出場できる開幕戦など2試合に出場。「新しい未来」を切り開いた稲見は、堂々とその道を歩み始めている。

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