<アムンディ・エビアン選手権 3日目◇11日◇エビアン・リゾートGC(フランス)◇6479ヤード・パー71>
メジャー新記録のスコア「60」をたたき出し、トータル19アンダーまで伸ばしたユ・ヘラン(韓国)に食らいついた。2週前には「KPMG全米女子プロ選手権」を制した強豪。2試合連続でのメジャー制覇阻止は、トータル16アンダーで2位に踏みとどまった岩井明愛に託された。そんな展開だ。
同組の選手がそれだけ大暴れしても、「あまり気にしてないですね」と言えるのは強みだろう。「上がってみて、『あ、そんなに伸ばしてたんだ』という感じ。でも、いい影響を自分にも与えてくれました」。自身もバーディを8個奪っての「65」。3打差に踏みとどまったのは最終日を戦ううえで大きい。
1番はボギーで滑り出したが、そんな雰囲気を一変させるショットが、打ち下ろしの2番パー3で生まれた。9番アイアンで放った一打は、ピン手前5メートルほどに着弾。「感触もよかったし、落ちたところがピンに寄っていくような場所だった」。2日目もあとわずかでホールインワンという場面を作っていたホール。この日も左に切れてカップから50センチとわずかにズレたが、やはりショットはキレている。
左ラフからの3打目を1メートルに寄せた7番パー5からは3連続バーディ。8番パー3も1.2メートルにつけて奪ったものだ。さらに後半も3つ伸ばし、同組のライバルを追いかけた。タイトなコースで、この3日間のフェアウェイキープ率は74.4%(29/39)。パーオン率も79.6%(43/54)と高水準。なにより、こんな要素も背中を押している。
「最近はアプローチを重点的に練習していたので、少しだけ自信がついたのかなと思います。それをうまく生かせた」。前述した7番も、深いラフから58度のウェッジで、うまく傾斜も利用して寄せたもの。「自分のゴルフに足りないところ。みんなうまいし、引き出しを増やしたい」と、レベルアップに励んでいる。
ラウンド後にはいつも「楽しかった」と話す岩井らしく、その練習も“楽しさ”を追求する。「50度、54度、58度や9番、7番アイアン、たまに3番ウッドも使いますね。そういう遊び心を持って練習しているので」。時には7番アイアンでバンカーから打ってみたり、実験的な練習も。過去には片手打ちのアプローチを大会で披露したこともあるが、インスピレーションも日頃から鍛えている。
西郷真央とブルック・ヘンダーソン(カナダ)の3位グループはトータル12アンダーとあって、3日目を終えた時点では“一騎打ち”の様相も呈する。メジャーでの優勝争いも「あまり(普段と心境は)変わらないかもしれない」と言い切る。
「3日目なのに最終日みたいな雰囲気があるなと思いました。そのなかでプレーできたのはよかった。チャンスがあると思って頑張ります」
予選落ちした1年前の日曜日は、コースで練習をした後、妹・千怜のラウンドについて観戦した。昨年8月「スタンダード・ポートランドクラシック」に続く米ツアー2勝目へ、そして日本女子7人目のメジャー覇者へ。今年は優勝争いの中心人物としてコースを歩く。(文・間宮輝憲)
