<ホンダLPGAタイランド 最終日◇22日◇サイアムCC オールドC(タイ)◇6649ヤード・パー72>
1組後でプレーした首位のジーノ・ティティクル(タイ)に1打ビハインドで迎えた最終18番ホール。岩井千怜はパーパットを流し込みトータル23アンダーでホールアウトすると、その目を潤ませた。敗戦を覚悟したようにも見えた姿。アテストに向かう際、姉の明愛らに声をかけられた時も両手でその目を拭った。結果的に、地元の世界ランク1位がきっちりパーを拾い優勝すると、勝者とハグを交わし、互いの健闘を称えあった。
3打差の3位タイから、最終組の1組前でスタートすると、序盤から持ち味の攻撃性を発揮した。1番から2連続バーディ発進。さらに7番パー5ではグリーン手前のフェアウェイからチップインイーグルを奪った。10番パー5でもイーグルを記録。終盤までジーノに並走し激しい優勝争いを繰り広げたが、11番以降バーディがなかった岩井を、ティティクルは17番のバーディで突き放した。
「悪くないプレーだったけど、それ以上にジーノが素晴らしかったと思います」。インタビューでは地元Vを果たした勝者をすぐに称賛。7番で奪ったイーグルで思わず飛び出したガッツポーズについては、「イーグルが必要なシチュエーションがかなりあった。『ここで来い!』と思ったら入ってくれました。本当にうれしかった」と振り返る。悔やむのは1.5メートルほどのバーディパットがカップに蹴られた15番。「たぶん(読んだ)ラインが少し浅かった。打ち出しはすごくよかったし、もう少し練習が必要ですね」と反省する。
大会冠スポンサーを務めるホンダに所属するホステスプロとして、ここは思い入れの強い試合。昨年は姉の明愛が2位になり、今年は妹がトロフィーまであと一歩のところまで迫った。2年連続で勝利には手が届かなかった姉妹だが、大会を盛り上げる役目はしっかりと全うしている。
ルーキーイヤーだった昨年は、5月にメキシコで開催された「リビエラマヤオープン」で米ツアー初優勝を挙げるなど活躍。姉とともに岩井ツインズの存在感を、米国でも広めている。今回の優勝争いでも「常に(リーダー)ボードを見ながらプレーしてました」と、自らの位置を把握しながらプレー。肝っ玉の強さはさすがだ。それでも「なかなかうまくいかないのがゴルフだと改めて思いました」ともこぼす。
ラウンド中には歌を口ずさみながら待つ時間も目立った。「ゴルフ以外のことも考えながら、自分の世界観を作ってました」というのが、今後も意識する部分となる。来週はシンガポールで「HSBC女子世界選手権」(2月26日~3月1日、セントーサGC)に出場。「自分のペースでまた日本のみなさんにいいプレーを届けられるように」とリベンジを誓う。

