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「生きてプレーできてうれしい」血栓除去から復帰V ネリー・コルダを支えた“出直し”の気持ち

「生きてプレーできてうれしい」血栓除去から復帰V ネリー・コルダを支えた“出直し”の気持ち

配信日時:2022年11月14日 11時15分

ペリカン女子選手権 最終日◇13日◇ペリカンGC(米フロリダ州)◇6341ヤード・パー70>

シーズンをスタートさせた直後に左腕の血栓がみつかり除去手術を受け、4カ月間戦列を離れ、6月に復帰したネリー・コルダ(米国)が、自宅から車で1時間の場所で地元Vを果たした。昨年大会につづく連覇に笑顔がはじけた。

これがネリー・コルダのスイング!【動画】

その昨年大会以来の米ツアー優勝。「今年はローラーコースターのような1年だったけど、上りより下りのほうが多かった。だからこそ、今回の優勝はいままでより感慨深い」。今年の序盤までは世界ランキング1位に君臨。メジャーも獲って、トップに居続ける、そんな目論見が一気に崩れた1年はつらいものだった。

手術は成功し戦線に戻ってからも優勝争いには顔を出したが、3試合を戦った9月には31位タイ、そして2戦連続で予選落ちと苦しんだ。そこでネリーは一時ツアーを離れる決断を下し、「一歩ずつ前に進むために、じっくり調整しようと思った」と体も心も休ませた。そして迎えた1カ月半ぶりの1戦で最終日に6アンダーをマークし、自身初の逆転優勝を遂げることになる。

これで世界ランキングも1位に返り咲くことが確実とみられるが、そんなことよりも、再び表舞台で、しかも両親が見守る前で優勝を遂げたことが何よりもうれしい。プレー直後のインタビューでは涙も流した。きつかった今季を思い、家族や首位のサポートを思い、頬を濡らした。

「ゴルフでは次に何をするかはだいたい決まっている。でも、血栓があると聞いても、何をすればいいかがわからない。それが怖かった」と病気発覚時の心境をあらためて振り返った。「死んでいたかもしれない。こうして生きてみんなの前にいられて、プレーできることがうれしい」と冗談めかして話すが、23歳の若者にとって、人生のこの時期に聞く血栓除去というワードは、精神的にも重かったはずだ。

苦難を乗り越えつかんだ久しぶりの勝利。「いまいちばんうれしいのは今夜じぶんのベッドで寝ること。そして洗濯もして、あした最終戦に向かう」。今夜は家族で勝利を祝い、ぐっすり休んで勝利を噛みしめ、年間女王決定戦へと向かう。(文・高桑均)

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