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「頑張らないといけん」 連続予選落ちにより渋野日向子にあらわれた“ある変化”【記者の目】

「頑張らないといけん」 連続予選落ちにより渋野日向子にあらわれた“ある変化”【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2022年9月20日 11時30分

「今週は回ったことがあるコースだし、2連続予選落ちもあって、ちょっと頑張らないといけんと思った。それまでは気持ち的にも“ズン”って落ち込んでいて、練習に行くのが嫌というわけではないけど、あまり熱心に取り組めていなかったという部分はありました」

オハイオで味わった悔しさがカンフル剤になったかのように、たまに軽い談笑を挟むこともあったが、基本的に黙々と課題克服に打ち込んでいた。もともと国内ツアーを戦っている頃から、渋野は練習の時間をしっかりととる選手の一人だった。話を聞こうと思って、あがりを待っていたら、すっかり辺りが暗くなっていた…ということも1度や2度ではない。

今、必要なこととして、渋野は次のようなことを考えている。「いろんな土台を積み重ねてきたから、それを試合で一回一回、一球一球試して、さらに積みかさねていく段階。その積み重ねができてくれば、きのう(「66」をマークした3日目)のようなゴルフもできる。ただ気持ちの問題できょう(「76」と崩れた最終日)のようなゴルフにもなる」。

試合のなかで得るものは大きい。もちろん2日間よりも、週末を戦ったうえでの4日間、さらに優勝争いなど緊迫した場面でならなおさらだろう。課題を一つずつ克服し、また試合のなかで新たな課題を見つける。時に進んだり、時には戻ったり。これが地力になっていく。

何も『長く練習していたことが美徳だ』ということを言いたいわけではない。シーズンを戦ううえで、最適なペースは本人やその周囲が一番よく把握しているはず。ただその光景、そして変化から、現在、渋野が抱えている課題が明確であることが感じとれた。それは『抑え目のショットの距離感』や『ショートパット』など“今週の目標”に掲げていたものと、目にした取り組みがきっちりとリンクしていたから。ここをつぶそうとしたら、それくらいの時間が必要だった、という風にもとらえる。

アンダーで回りながら、“モヤモヤ”したものを訴えていた予選ラウンドを終えると、3日目には「内容に納得できていることがうれしい」と一気に優勝争いに食い込んだ。しかし、最終日は「この3日間が台無しになった」と失速。浮き沈みの激しい4日間を過ごした。最終日の全組終了後。会場の撤去が進むなか、“居残り練習”をする渋野の姿があった。それは、すっかりひとけも少なくなり、間もなく夕方を迎える頃だった。「頑張らないといけん」。この4日間で“積み重ねた”ものが、さらにその思いを強くさせたのかもしれない。そんな姿に感じられた。(文・間宮輝憲)

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