そしてこんな一言も。「なんか自分の過去が薄れていくのがちょっと安心するというか。そっちにいけ、みたいな」。同年4月に松山英樹が「マスターズ」を制し、それに続く形で笹生がメジャー大会を制覇。渋野自身が日本勢メジャー制覇の壁を42年ぶりにこじ開けたのは紛れもない事実だが、背負い続けていかなければならない“メジャー覇者の肩書”との向き合い方をつかみ始めてきた。
■米ツアーメンバーとして臨む、3度目の挑戦
12月の予選会「Qシリーズ」を20位で突破し、米ツアーメンバー入り。今季初戦をシンガポールで行われた「HSBC女子世界選手権」で迎え、3月に行われた今季メジャー初戦「シェブロン選手権」では最終日に追い上げをみせて4位フィニッシュ。続く「ロッテ選手権」では最終日最終組でプレーし、2位で終えた。
そしていよいよ、22年の全米女子オープンを迎える。Qシリーズで同組で回ったビアンカ・パグダンガナン(フィリピン)、日本予選会を勝ち抜いた伊藤二花、アマチュアの馬場咲希らとの連日の練習ラウンドで、調整を行っている渋野。20年、21年と異なる悔しさを抱き、そのリベンジに挑むが、果たしてどんな結末が待っているのか。
