ここで前のホールのバーディが光った。「とりあえず池に入れるリスクを避けよう」。セーフティにレイアップを選択すると、アイアンでフェアウェイセンターへ。残り95ヤードの3打目をピン奥80センチにつけた。このバーディパットは「まあ、ああいうことになりました(笑)」と外してしまったが、きっちりとパーをセーブ。絶対にやってはいけないミスは回避した。
「7番でバーディを獲れていたから刻めたと思う。獲れてなかったら2オンを狙っていたかもしれない」。パー5でバーディがまったく獲れず、イライラも溜まってきていた渋野を思い留まらせた、大いに価値あるホールだったといえる。
来週には海外メジャー初戦も控えるだけに、あと36ホール戦えるのは非常に大きい。開幕前に「4日間戦っていいゴルフをしたい」と話していた渋野。「ほんとによかった。マジ、ギリギリだけど」と苦笑いながら、自らの手で週末へのチケットをつかみ獲った。ここからさらにアクセルを踏み込んでいく。(文・秋田義和)

