<ファンケルクラシック 初日◇16日◇裾野カンツリー倶楽部(静岡県)◇7027ヤード・パー72>
最終予選会で20位に入り、今季のシニアツアー出場権を獲得した上森大輔。7月に50歳の誕生日を迎えたルーキーは初シード獲得にまい進中だが、少々変わった経歴を持つ。
甲子園に出たい、プロ野球選手になりたいと中学2年まで白球を追いかけたが、「背の小ささに気がついて…」と野球の道をきっぱりとあきらめた。ゴルフを本格的に始めたのは高校入学のころ。それでも3年時には「日本ジュニア」にも出場を果たした。
大学はゴルフの強豪校ではなく、「英語を話せるようになったら将来役立つ」と考えて関西外国語大に進学したが、3年で中退。プロゴルファーになる志は捨てずに、しばらくはゴルフ場でアルバイトをしながらアマチュア競技に出場して腕を磨く。26歳の頃からプロテストを受験し始めて、29歳で合格した。
ドライバーもアイアンも、ショットが曲がらないことが持ち味。「僕のネックはパターです」とグリーン上で苦しみ、レギュラーツアーで活躍できず、下部ツアーを中心に戦っていた。
満を持して迎えたシニアツアー。デビュー戦の「THE EAGLE GOLFシニア」は11位タイと上々の成績を残すと、3戦目の「IASSシニア・プロアマ」は2位タイに食い込むなど、ほぼトップ20を外さない成績で、わずか5戦で賞金シード圏内ぎりぎりのランク30位につけている。
スタッツを見ると、平均ストロークは「69.65」で8位。パーキープ率は89.90で3位、そして「ネック」という平均パット数は1.7692で10位など、どの部門も高水準を残している。「パッティングは2年ほど前から長尺にして入るようになりました」と、道具を変えてレッスンに通うようになって苦手を克服。
また、身長161センチと小柄ながら「飛ばすね」と言われるようになったのも最近のこと。ドラコン選手に師事してからドライバーは280~290ヤード飛ばせるようになったおかげで、総合力が上がった。
この日は、出だしの10番パー5で3打目がトップして大きくオーバーしてボギースタートとなったが、しっかり巻き返して4バーディ・2ボギーの「70」で2アンダー・15位タイで滑り出した。
シーズンは残り5戦。「最低でもシードが目標ですが、シードを目指すとぎりぎりになるので気持ちは優勝を目指しています」。各部門別の数字が物語るように、高いレベルですべてをこなしている。異色の経歴を持つルーキーの戦いに注目したい。(文・小高拓)
