■他の選手のプレーを見て予想外の攻めも知った
ところが、いざ自分でやってみるとその大変さを痛感させられる。大会が開催される週の天気予報をチェックし、雨予報ならグリーンキーパーと相談して水がたまりやすいところを確認してピンの位置を決める。たとえ晴れていても風向きや強さを考慮しなければいけない。ゴルフの場合、自然との戦いでもあるので、単にホールの形状だけでピンの位置を決められないことを知った。「ホント大変ですよ。選手の時の方が楽でしたね」と笑う。
ただ、新たな発見があったことも事実だ。「試合が始まってプレーを見に行くと、自分が予想していない攻め方をする選手がいるんですよ。『ああ、こういう攻め方もあるのか!』と気づかされますね」。自分がプレーしていなくても、他人のプレーを見ることで、コースマネジメントの幅が広がっていった。
同じことは、同時期に始めていたトーナメント中継での解説をしたときにもあったという。「選手のとき以上に天気のことを気にするようになりましたし、いろんな人のプレーを見ることでものすごく勉強になりましたね」と振り返る。
インサイドロープで戦っていると分かりにくかったことでも、俯瞰することによって見えてくるものもある。シニアツアーに参戦するようになってからも、レギュラーツアーでのコースセッティングは年に数回担当している細川。兼任は大変だが、それ以上に得るものが大きいことも確かだ。
