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「完成度は50%」西村優菜がスイング改造で修正したのは「ダウンスイングの左ヒザ」

このオフにスイング改造に取り組んでいた西村優菜。その修正点と目的とは?

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2023年3月1日 11時00分

西村優菜はダウンスイングで左ヒザが流れないように修正した(撮影:米山聡明、福田文平)
西村優菜はダウンスイングで左ヒザが流れないように修正した(撮影:米山聡明、福田文平)

<ダイキンオーキッドレディス 事前情報◇1日◇琉球GC(沖縄県)◇6560ヤード・パー72>

今季は米ツアーを主戦場にして戦っていく西村優菜。今大会と来週の「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」に出場した後に渡米する。

開幕前の公式会見では「オフにやってきたことが(試合の)緊張したときにどういうふうに出るかは自分でも探り探り。今年は長期的なことも考えて、スイングの変化に取り組んで完成度は50%くらい。そういった不安要素はあります」と、オフにスイング改造に踏み切ったことを明かした。

一番の修正点は「ダウンスイングの左ヒザ」。西村は身長150センチと小柄なため、スイングでは左右に体を揺さぶり、ヨコ体重移動を積極的に使って飛距離を出していく。「ダウンスイングでヒザが左に流れる癖があって、その量が多かったので、タテに体を使う感じに変えていこうとしています」と本人は説明する。確かに昨年と比べ、ダウンスイングでの左ヒザの位置が変わっている。

スイング改造のメリットについては「ヒザがヨコに流れたときに、手首を使う量が多かった。手首で調整するのではなく体全体で調子を取れるように。2、3年後を見据えて変えました」と話す。繊細な手首の感覚に頼るよりも体全体を使ったほうが、長距離移動が多いアメリカでは安定したスイングができると考えている。
 
ここで1つの疑問が生まれる。西村は昨シーズン、日本ツアーではドライビングディスタンス231.03ヤードで76位と飛ぶほうではない。飛ばし屋ぞろいの米ツアーに行けば、もっと順位が下がる可能性は高い。ヨコからタテへ動きを変えて、飛距離は落ちないのだろうか。
 
「左右の体重移動をなくすという意味ではなく、左に体重を乗せたときに乗り切れていなかった。タテの動きを取り入れたほうが左右の体重移動が上手くいくという感じです。それが100%上手くいけば飛距離も少し上がるのかなという期待もあります。でも、飛距離を伸ばしたいから、スイング改造に取り組んだのではなくて、少しでもブレないように、手先で調整しないようにと考えてチェンジしました」
 
西村のストロングポイントはフェアウェイキープ率6位の正確性と、リカバリー率2位のショートゲーム。そして、ほかの選手のショートアイアンと同じ精度でピンを狙っていけるフェアウェイウッドの技術がある。今回のスイング改造では、無理に飛距離を上げようとするのではなく、自分の長所を磨くのが目的なのだろう。日本で6勝を積み重ねてきた技術で世界へ飛び出す。(文・下村耕平)

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