<カストロールレディース 事前情報◇28日◇富士市原ゴルフクラブ(千葉県)◇6515ヤード・パー72>
2週前の「あおもりレディス」で、2008年10月「IDECレディースカップ」以来となる下部ステップ・アップ・ツアー優勝を挙げた宅島美香。17年267日ぶりの勝利は、ツアー史上最長ブランクでの優勝となった。その余韻に浸りながら、今週を迎えている。
「ラインやインスタグラム、電報も来たり。なるべく全員に返信はしました」。多くの祝福が届き、2日間をかけて返信するという、うれしい悲鳴をもらした。
06年にプロテストに合格。2年後にステップ初優勝を挙げた。09年にはレギュラーツアーで賞金ランキング51位に入り、永久シードの不動裕理を除いた上位50人のシード枠に滑り込んだ。16年からはステップを主戦場として戦っている。
08年の優勝から長い道のりを歩んできた。かなり遠回りをしてしまったが、「本当にゴルフをやめようと思っていた」と、その苦しかった日々が走馬灯のようによみがえる。
一時はスポンサーが数社にまで減り、サポート面でも苦しんだ。さらに追い打ちをかけるように、「ティイングエリアに立つと怖かった」。イップスとは思わないようにしていたが、7番アイアンでも“どフック”でOBを打つことがあったという。「本当にどん底でした」と当時を振り返る。
ただ、30歳を過ぎたあたりから「吹っ切れた」と心境に変化があった。「ボールが曲がらなくなって、スコアを作れるようになってきた」と、試合に出場できる喜びも再び湧いてきた。
優勝して次の試合を迎えるのも約17年ぶり。前戦は最終日の後半に3連続バーディを奪ったものの、15番でボギー。「余裕が出て、油断しました」と反省する。「調子に乗って変な方向を狙ったりとかせず、2日間は安全に攻めつつ、最終日も伸ばせたらいいですね」。地に足をつけた戦いを、自らに言い聞かせた。(文・齊藤啓介)
